2014年度活動レポート(一般公募コース)第131号
ラオス国立農業研究所研究員の受け入れ(京都大学・名古屋大学)-愛知県研修 その1
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 博士課程
山田 祐樹久
京都大学が名古屋大学と協力し、10月20日から10月29日の10日間、ラオス国立農業研究所(NAFRI)の若手研究員10名をさくらサイエンスプログラムにより受け入れました。研修内容としましては、主として日本の農業関連の生産技術や経営について、愛知県と滋賀県の事例を中心に学び、京都大学にて成果報告を行いました。
愛知県研修 10月20日~10月22日
愛知県では、日本の先進的な産業技術について、各関連機関を訪問し、研修を行いました。
① トヨタ元町工場・トヨタ会館
トヨタの世界最先端の自動車製造技術について、組立と溶接工程の見学を通じて研修を受けました。高度な生産機械の導入や、製造過程における厳格な管理システム、所謂「トヨタ型生産方式」を中心にインストラクターから説明を受けました。その後、トヨタ会館に移動し、トヨタの歴史やエコフレンドリーな自動車製造の取り組みについて学びました。
② JA愛知みなみ マムポートセンター
選花場の見学を行い、搬入から出荷に至るまでのプロセスについての説明を受けました。生産者が生産した菊を搬入し、専門員による検査を終えてからは、等級分類や販売先への流通までが全て機会化されています。また搬出用コンテナには、ICチップにより生産者のIDや等級などの情報が付与され、流通管理が行われています。マムポートセンターでの研修を通じ、高度な品質管理や機械化の水準について活発に議論されました。
③ 低炭素施設園芸づくり事業
花卉栽培用のモデルハウスを中心に、炭素消費を抑えた農業の取り組みについて説明を受けました。太陽エネルギーの利用、効率的な保温・温度調整、赤色LEDによる開花調節といった、先進的な環境配慮と農業技術を兼ね備えた取り組みについて学びました。
④ ソーラーファームとよはし
発電施設を見学し、太陽光発電システムの概要や、電力の販売・流通といったマネジメントについて説明を受けました。ラオスでは太陽光発電は、電力が届かない僻地の電力供給源です。一方で、日本では環境配慮型社会にむけた最先端技術となりつつあることが、NAFRI研究員の印象に残っていたようです。