2014年度活動レポート(一般公募コース)第127号
タイ・プリンスオブソンクラ大学の学生が温帯・亜寒帯の自然環境を調査
横浜国立大学理工学部
8月2日~8月5日に、横浜国立大学理工学部はさくらサイエンスプログラムの支援を受け、タイ国のプリンスオブソンクラ大学から大学生6名と教員1名を受け入れました。
タイから来日したのは理学部生物学科の学生で、本学の理工学部 建築都市・環境系学科 地球生態学EPの学生とともに、本学理工学部の授業である生態学遠隔地実習(持田教授が実施)を受講しました。この野外実習では山梨県清里高原にある本学の宿舎(教育人間科学部野外教育実習施設)に宿泊し、共同で自炊しながら実習を受けます。
今回参加したプリンスオブソンクラ大学の学生は、熱帯の環境での野外生物学の講義や実習をすでに受けているため、日本での実習によって温帯や亜寒帯(亜高山帯)の自然環境を調査することで、東・東南アジア全体の主な自然環境を体験的に知ることができ、また日本の社会も経験することができます。
また日本の学生もタイからの学生とともに生活し、共通の英語テキストを使用して自然を調査・解析することで、本来の目的である自然の体験的な理解と研究方法の習得に加えて、専門の学術英語や国際感覚と、熱帯を含む広い世界の自然と社会への興味を深めることができます。
この野外実習では、日本の植物の分類・同定と、温帯林、亜寒帯林での植生調査を行い、そのデータを両国混成の班ごとに解析しました。一行はこのあと国立科学博物館筑波実験植物園と標本庫を見学し、帰国しました。
このような交流は両大学の教育カリキュラムにとって有意義であり、今年度末には温帯の自然と社会を学んだ横浜国立大学の学生が、プリンスオブソンクラ大学の野外実習に参加して熱帯の自然と社会を体験的に学ぶ計画も進行しています。本学の学生は、これに参加することで横浜国立大学の単位とすることができます。
専門教育の面から見ても、国際的な経験の面から見ても有意義な交流であり、このように少人数であっても大学の教育にしっかり組み込まれ、地に足が付いた事業を毎年継続してゆく予定です。