2014年度活動レポート(一般公募コース)第123号
ミャンマー・ダゴン大学とバイオマス資源の有効利用に関する研究交流 その1
産業技術総合研究所バイオマスリファイナリー研究センター
「さくらサイエンスプログラム」により、ミャンマー・ダゴン大学の若手研究者10名(教員8名,大学院生1名,学生1名)を10月16日から11月5日までの3週間招聘して、研究交流を行いました。ミャンマー国外に旅行するのは全員が初めての経験とのことです。
10月16日の朝に成田空港に到着した後、まずパシフィコ横浜で開催されたBio Japan 2014の会場を訪れ、バイオ関連の最新技術の展示を見学しました。
17日に新幹線で東広島へ移動し、産業技術総合研究所バイオマスリファイナリー研究センターに到着して、ガイダンスを受けました。18日は休日のため、世界遺産である原爆ドームと宮島を訪れました。
10月20日から31日までの2週間は、バイオマスリファイナリー研究センターで、農業残渣などの未利用バイオマス資源からエタノールを生産する技術についての学習、実験を行いました。
まずバイオマスリファイナリー研究センター内を視察し、木質などからエタノールを生産するための大型実験設備などを見学しました。
朝の1時間はバイオマスリファイナリー研究センターの研究者から、バイオマス利用技術やエタノール生産に関わる技術についての講義を受けました。
実験は、ミャンマーに豊富に存在するバイオマスである稲わらとキャッサバの廃棄物を原料にしてエタノールを生産するテーマで行いました。
第1週は、原料バイオマス成分の分析法、原料バイオマスを前処理する技術、前処理したバイオマスを酵素で分解して糖を得る糖化技術、および生成した糖を分析する技術を習得しました。
招へい者の10名はいずれも化学または工業化学が専門で、酵素反応などのバイオ系の実験はほとんど経験がなく、最初はマイクロピペット操作などぎこちなかったのですが、だんだん慣れてスムーズに行えるようになりました。