2014年度活動レポート(一般公募コース)第117号
清華大学・ソウル国立大学・東京大学の材料科学に関する3大学ワークショップを開催
東京大学 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 喜多浩之
2014年10月15日より8日間の日程で,清華大学(中国)から9名,ソウル国立大学(韓国)から10名の大学院生を招聘し,東京大学大学院の学生との学術・文化交流を行いました。
10月16日~17日は,東京大学生産技術研究所において「材料科学に関する学生ワークショップ」を開催しました。中埜良昭・生産技術研究所長からの歓迎の挨拶に続き,3大学の教員による招待講演が3件ありました。
その後は清華大,ソウル国立大,東京大のそれぞれの大学院生よる30件の研究発表が行われました。高強度な金属からナノ材料,電子デバイス,バイオ応用と多岐に渡る材料科学の研究について,学生間で活発な議論が交わされました。
また学生の投票によって優秀プレゼンテーション賞を決定,ワークショップ後の懇親会において表彰が行われました。副賞は,軽量且つ高強度,腐食のないチタン金属を用いた特製カップでした!
10月18日は貸切バスを利用して,東京大学の学生の案内によって都内の文化施設等を回りました。浅草で寺社を見学した後,築地市場や浜離宮庭園を訪れ,日本文化を紹介しました。
また,お台場へ移動して科学未来館を訪問,ASIMOのパフォーマンスなどを見学して日本の科学技術を紹介しました。リラックスした時間を過ごすうちに,各大学の学生同士すっかり打ち解けていました。
10月20日は日本の材料研究の最先端を紹介するため,つくば市の物質材料研究機構(NIMS)を訪問しました。千現地区,並木地区の多くの研究施設を見学させて頂き,各訪問先で研究者から先端的な研究の紹介をして頂きました。
学生からも多くの質問に,嫌な顔をせずに丁寧にお答えくださった研究者の皆様には感謝します。
10月21日には東京大学の柏キャンパスを訪問し,新領域創成科学研究科・物質系専攻の研究室見学,さらに本郷キャンパスへ移動して,工学系研究科 マテリアル工学専攻の研究室見学を行いました。プラズマ科学や準結晶材料の研究,ナノバイオ研究など,新しい材料科学の研究分野を紹介して頂きました。
このようにさくらサイエンスプログラムの御支援を受けたことで,8日間の滞在期間の間に次々とワークショップや見学を行うことができ,招聘した大学院生諸君には充実した時間を過ごしてもらうことができました。
近い将来に東アジアにおける材料科学分野の研究をリードするであろう大学院生諸君にとって,相互交流のきっかけとなる貴重な機会となったと思います。