ブータン国におけるCOVID-19の最新状況

ブータン国におけるCOVID-19の最新状況

Dr. Shekhar Chhetri
ブータン王立大学自然資源学院動物科学学部講師
ブータン国プナカ県ロペサ

2021年10月16日現在、ブータンでは、総感染者数は2617人、同日の現感染者数は9人、回復した感染者数は2605人、死亡者数は3人です。(保健省、ブータン王立政府)

世界の他の地域と同様に、ブータンでもCOVID-19の流行により、観光業やホテル業が最も大きな影響を受けています。さらに、政府はオンラインでの授業や学習方法による教育の質についても懸念しています。国内での移動が制限されているため、ホテル以外のビジネス分野にも影響が出ています。例えば、ブータンでは、インドと国境を接している南部(最大の感染者数を記録)が高リスク地域とされており、高リスク地域から国内の他の安全地域への移動を希望する人には、1週間の強制隔離を義務付けるなど、政府による厳しい規制が設けられています。特に、ブータン南部にある以前は商業的に人気のある町だったプンツォリングは、封鎖が長期間続いた結果、プンツォリングの住民がより安全な地域に移動したため、パンデミックの影響を最も受けました。海外からの旅行者の場合は、2週間の強制隔離です。海外からの旅行者も国内の旅行者も、COVID-19の検査結果が陰性であることを申告しなければなりません。2回目のワクチン接種後、状況は改善されているので、お店やその他のビジネスの拠点は良く機能しています。私の意見では、ブータンの王立政府によって実施されたこれらすべての管理措置は、COVID-19の蔓延を防ぐための非常に効果的な管理措置でした。

わが国の国王である第5代国王ジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュック陛下の先見性と力強いリーダーシップのもとで、政府は被災者とその家族に対し、「国王からのキドゥ」と呼ばれる経済的支援を行ってきました。パンデミックによって仕事に影響を受けた市民を確認して、彼らには金銭的な恩恵が与えられました。また、銀行の貸付金については、利息を支払うことなく返済が繰り延べされました。国王は国中を視察し、国境を守るリスクの高い地域で働く現場の人々を観察することに時間を費やしてきました。ブータン人は、このような愛情深く思いやりのある王を持つことを光栄に思っています。なぜなら、王は国内あるいは世界が暗闇の時代に常に光を放っているからです。

これまでに2回の全国的なロックダウンが行われ、その期間は3週間から4週間でした。最初のロックダウンは、市民にとっても政府にとっても困難なものでしたが、ウイルスの拡散を防ぐために確実に役立ちました。政府がロックダウンを発表したとき、食料品店や野菜市場はいっぱいになりました。食料品は、一般の人々が最も多く買い求めた生活品でした。ロックダウンの期間中でも、食品の戸別配達やその他のサービスは、第一線で働く人々によって効率的に提供されました。

警察官やDesup(平和の守護者)などの役人がいて、どんな場所でも一般人がCOVIDの指令を厳守するようにしています。これまでのところ、一般市民による深刻な違反はありませんが、度重なる違反者は警察に身柄を拘束されています。

ブータンでは、迅速抗原検査とRT-PCRの2つの検査が行われており、政府から無料で提供されています。ランダムサンプリングで迅速抗原検査を行い、陽性の場合はさらに確認のためにPCRを行います。陽性者の隔離と看護は、国家COVID-19特別委員会が策定したSOP(標準作業手順)に基づいて厳格に実施されています。

ブータンで接種されているワクチンは、コビシールド(アストラゼネカ社)とモデルナ社です。全国の成人には1回目と2回目の両方が接種されており、現在は12歳から18歳までの子どもにも接種されています。ブータンの人口は100万人に満たず、国内では効率的なサービスが提供されており、これはブータンにとって大きな成果と言えます。2021年10月16日現在、全人口の65.1%が完全にワクチンを接種しています。隔離、医療サービス、ワクチンが無料で提供されているブータンの国民であることは、とても幸せなことです。ブータン国民だけでなく、国内で働く外国人にもサービスを提供しています。

ブータンでは、COVID-19の予防や治療薬として従来からの医薬が使用されているという形跡はありません。ブータンではCOVIDの患者にイベルメクチンが使用されたことはありません。

パンデミックという困難な時期に、国内外のブータン人が自らの意思でボランティア活動を行い、政府に金銭的な貢献をしてくれました。このような自発的な資金提供以外にも、ブータンの人々は協力的で、政府が実施したすべての管理措置を尊重してくれました。中心人物と国内の様々な組織の関係者は、王、政府、国に仕えるために、疲れを知らずに献身的に働いていました。

私の考えでは、どの国も国家目標を達成するためには、政府がすべての責任を負うだけではなく、国民も平等に参加して政府を助ける責任があります。私の国ブータンは、愛と思いやりに満ちた国王のリーダーシップのもと、一歩一歩着実に実行し、世界の他の先進国に良い手本を示していると思います。パンデミックに対する世界的な戦いはまだ終わっていませんが、人類はこのトンネルの先にある光を期待しなければなりません。

(出典:保健省、RGoB Facebookページ)
(出典:保健省、RGoB Facebookページ)
図1 フェイスマスクを着用している農村部の女性たち
図2. ワンデュ・ポドラン地区のセプーの高地では、海抜3000メートル以上になり、空気が薄くなり始め、フェイスマスクをしていては呼吸が非常に困難になったり、高山病になったりします。

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。

Update on Covid-19 situation in Bhutan
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