2020年5月のレポート①

台湾の新型コロナウィルスの状況

新型コロナウィルスの感染状況

新型コロナウィルス発生から4月26日までに429人の感染が確認されました。このうち、台湾で感染による死亡者は6名、回復者は275名となっています。下の写真は「台湾感染病管理センター」のウェブサイトから引用したものです。このサイトでは、新型コロナウィルスの感染状況、新規感染者数、健康管理教育情報など、新型コロナウィルスに関する重要な情報が7カ国語で公開されており、ユーザーにとって理解しやすい仕様になっています。これまでほとんどの企業では、オフィスにいる人の数を制限し、在宅勤務を行い、出勤ローテーションを組んだりしていましたが、現時点では教育機関はまだ閉鎖されていません。学校はまだ開校しており、学生もまだ学校に行くことができます。しかし、新型コロナウィルスの発生に備えて、オンライン教育の準備も同時に進めています。台湾の人々は今でも外に出て食料品を購入することはできますが、マスクの着用が必須であり、一部の店では体温観測などが行われています。公共交通機関に乗る際にはマスクを着用しなければいけません。マスクをしていないと、電車やバスに乗ることはできません。

新型コロナウィルス予防の手順

新型コロナウィルスの世界的な流行の深刻さを鑑み、台湾で実施された感染病予防の制約は効果的であると考えられ、世界的に重視されています。私の考えでは、以下のようにいくつか重要な要素があります。

1. SARSの経験

約17年前、台湾ではSARSが発生し、医療と経済システムに深刻な影響を与えました。SARSの経験と教育を通じて、政府と病院は、台湾でSARSのような感染力の強い病気が発生することを防ぐために、関連するSOP(標準業務手順書)を確立しました。

2. ソーシャルメディアによる新型コロナウィルスの情報共有

新型コロナウィルスという病気についての情報は、「中央流行疫情指揮中心」が多くのソーシャルメディアを通じて情報発信し、人々にどのような病気に直面しているのか、どのようにして正しく感染予防をするのかを情報共有しました。新たに感染したケースごとに、「中央流行疫情指揮中心」は可能性のあるすべての感染源を追跡し、接触した人の追跡調査を行い、これらの情報はすべての人が知ることができるように公開されています。このように、人々は感染病が本当にコントロールされているかどうかをよく理解することができます。

台湾疾病管理センターが設立した各言語の健康管理教育メディア
(出典:https://www.cdc.gov.tw/En )

3. 良質な健康管理教育とアプリの利用

 この伝染性の高いウィルスに直面したとき、最も重要なのは健康管理教育でした。感染病マネジメントを成功させるためには、台湾の全ての人々が同じ知識と感染予防の情報を共有する必要があります。関連する感染病マネジメント教育のメディアは、多くのソーシャルメディアを通じてハイペースで放送されています。最も重要な保護具であるマスクについては、マスクを必要とするすべての人が購入できるように管理されていました。マスクの購入はアプリを通じて購入することができ、購入手続きも簡単で、人と人の接触を減らすことができました。

健康管理教育。家の中で1.5m以上、家の外で1m以上のソーシャルディスタンスを維持し、
マスクの着用を義務付けることを柴犬を用いて解説。
(出典:台湾疾病管理センター)
健康管理教育。自宅隔離中の人がルール違反をすると罰金が科せられる。
(出典:台湾疾病管理センター)

Shia Wei Yau,
国立中興大学、台中
台湾

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら