2021年9月のレポート

ラオス人民民主共和国でのCovid-19

Amphone Keosengthong
Thippakhone Milburn

Amphone Keosengthong 、Thipphakone Milburn
ラオス国立大学(ラオス人民民主共和国、ヴィエンチャン)

  1. 2021年9月10日現在、ラオス人民民主共和国でのCOVID-19の累計感染者数は16,936人となりました。本日は194人が新規感染し、現感染者数は4,093人となっています。累計死者数は16人。本日は誰も亡くなっていません。
  2. パンデミックの最中にラオス人民民主共和国が直面している最大の問題は交通への影響だと私たちは考えています。公共交通機関は運休していて、自家用車を使って県をまたぐ移動をする場合には政府による許可証が必要となります。ラオス人民民主共和国は、感染拡大を抑制するのに非常に効果的であると証明されている厳しいロックダウン措置を講じています。たとえば、ヴィエンチャン(およびその他の都市)ではグリーンゾーン(安全な場所)とレッドゾーン(危険な場所)が毎日公表されます。さらに、ラオス人民民主共和国に入国する人は必ず14日間の隔離措置に応じなければなりません。また、観光ビザは付与されていません。
  3. 私たちが知る限りでは、国民が受けられる金銭的な支援策は実施されていません。
  4. ラオス人民民主共和国では、ロックダウンは2020年3月から続いています。民間航空会社による国際線は運休しています。しかし、2回のワクチンを終えた人が利用できる国内線は、最近運航が再開されました。ロックダウンのルールを破った国民は警察に拘留されるか罰金を科される対象になります。スーパー、地元の市場、モールはロックダウンの最中も営業していますが、体温測定とマスクの着用が義務化されています。グリーンゾーン(安全な場所)にある場合は、大学や学校は休校しなくてもいいとされています。ラオス国立大学(NUoL)やインターナショナルスクールのような教育機関ではオンライン授業を行っています。現在、銀行は2回の接種を終えた国民のために営業を行っています。ラオスの国民は友達と話したり、離れて住む家族と会ったりできず寂しく感じています。ですが、ほぼすべての国民がルールに従っていて、制限に対して目立った抗議を行う人はいません。ラオスでは商品の「買い占め」は起こっていません。これは、他の国よりも多くの国民が自給自足の生活を送っているからです。ほとんどの家庭では自分で家畜や野菜や米を育て、自分の所有する土地を活用しています。地元の生鮮市場も営業を続けており、在庫も十分にあります。(レッドゾーンにあって一時休業している場所を除く)
  5. マスクをしていない人はショッピングセンターに入ることができません。ソーシャルディスタンスに関するルールを破った場合には警察が呼ばれます。通常の場合、この問題は共同体の中だけで解決されています。隔離のルールを破ったり、違法に入国したりした場合は、刑務所に収監されます。興味深いことに、ラオス国民には既にマスクを着用する習慣がありました。それというのもラオスにある道はほこりっぽく、主たる輸送手段がバイクまたはトゥクトゥクであるからです。
  6. ラオス人民民主共和国ではPCR検査と抗原検査が行われています。レッドゾーンに住む人など感染している危険性がある人は検査費を支払う必要がありません。感染しているリスクが少ない人が検査を受ける場合(チャーター機で海外に行くためにPCR検査を受ける必要がある場合など)は検査費の支払いが求められます。それぞれの検査の費用は650,000ラオスキープ(約68米ドル)です。現在、ラオス人民民主共和国では新しい変異種であるデルタ株が確認されています。
  7. 国民にはシノファーム、アストラゼネカ、ファイザー、スプートニクV、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが接種されています。現在、ラオス人民民主共和国では国民、居住者、非居住者は無料で接種を受けることができます。1,859,931人が既に2回の接種を終え、2,633,604人が1回目の接種を受けました。(2021年9月10日時点)ラオスの総人口はおよそ700万人です。
  8. このウイルスに対して使用できると政府によって認められた伝統薬はありません。ですが、ラオス国民の中には、COVID-19の予防にKaempferiaが使えるのではないかと考えている人もいます。
  9. 日本、ロシア、中国、アメリカ、イギリス、オーストラリアおよびその他の国は寛大にも私たちの国に大量のワクチンや医療器具を寄付してくださいました。感染症の発生により、地方の学生は大きな不利益を被っていると議論になっています。というのも地方の学校がレッドゾーン内にあると指定された場合、学校を長期間休校にしなければならず、オンライン授業も行われないからです。ラオス国立大学ではオンライン授業が行われていますが、学生たちは対面授業を受けるためにはロックダウンの規制が緩和されるのを待つ必要があります。
  10. Covid-19のいい面の1つは、家族と一緒に過ごせる時間が増えたということです。もちろん長期間におよぶ経済への悪影響など悪い側面も多くあります。とりわけ観光業は非常に影響を受けています。
図1:ラオス国立大学でのトレーニングワークショップ中にCOVID-19の予防策を遵守している様子
図2:ロックダウンの最中、教職員は学生寮に住む学生に無償で食料や日用品を提供しています。

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら