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2020年6月のレポート

インドネシアにおける新型コロナウイルスの状況

Mutia Mauliddini
インドネシア・バクリー大学土木工学科
SSP同窓生

インドネシアでのCOVID-19は、2020年3月2日に初めて確認されました。このパンデミックは、国内34の州全てに広がり、政府は大規模な社会的規制を承認しました。(インドネシア語でPSBB:Pembatasan Sosial Berskala Besar) PSBBを終え、新しい日常(ニューノーマル)を目指し始めた人々もいます。政府が進行中のパンデミックと戦うのを助けるために、大学や民間企業が多くの支援をしています。

フェーズ1 発生

このパンデミックの間、個人用の防護服(PPE)の価格が高騰したことや、誰もが経済的な危機に襲われたことから、お互いに意識を高めるようになりました。土木工学科の同窓会は、マスク、フェイスシールドや手指消毒器をバンドンのRSKIA病院に寄附するための資金調達プロセスを実施しました。寄付するマスクは環境に配慮した布製のもので、繰り返し洗濯して使用できるもので、手指消毒器は安全で衛生的な素材を用いた手作りのものです。フェイスシールドは3Dプリント技術を用いて私たちが作っています。そしてまた私たちは、南ジャカルタの孤児施設にマスクを配ったりしています。

バンドンのRSKIA病院に個人用の防護具を配る
南ジャカルタの孤児施設にマスクを配る

フェーズ2 防疫

経済的危機が社会を襲い、多くの人が仕事を失い、また食糧の供給も限られたものになりました。防疫は人々の精神衛生に重大な悪影響を及ぼし始め、誰もが防疫を前向きに受け入れているわけではありません。私たちは助けを必要としている人々に基本的な食料の寄附を行ってきました。それにより人々の間に積極的なエネルギーを拡げ、笑顔になっていただくことがメンタルヘルスを支えることにつながります。

大学の同窓会から寄附された食料

フェーズ3:新しい日常(New Normal)

新しい日常の中ではこれまでと同様に、社会的、物理的な距離をとること、マスクを忘れずに着けること、そして、事ある毎に手を洗うというルールに従わなくてはなりません。バクリー大学は、オフィス、アパート、病院、ショッピングモールなどを有する「エピセントラム」のエリア内にあります。このエリアには多くの外国人が住んでいて、エピウオーク通りではサーモカメラを用いて訪問者の体温測定を行っています。体温測定は迅速に行われるので人の行列ができることはありません。このエリアを訪れる人の多くは外国人や外交官です。

訪問者のための体温測定

また、公の場所にあるものに直接触れることは避けなくてはなりませんが、ドアを開けるためのハンドルを作りました。このツールの制作には、3Dプリンティング技術を用いました。新しい日常に対応するために、私たちは自己防衛の準備をし、模範的な行動を互いに示す必要があります。混雑した所には行かないこと、レストランでの食事の代わりにテイクアウトにすること、人々が健康の維持について意識を高めることなど、ライフスタイルは変わってきています。そのような生活もすぐに終わりになるでしょう。

3Dプリンティング技術を用いたドアオープナーの制作
ドアを開けるためのツール