活動レポート

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第005号 (オンライン)

ベトナムにおける科学体験イベント実施のための研修プログラム

三重大学からの報告

 三重大学の協定校であるベトナムのホーチミン市師範大学とは、2015年から2019年の5回にわたってさくらサイエンスプログラムを実施しており、交流を深めています。2015年に参加した学生が「さくらクラブ」を設立し、さくらメンバーがホーチミン市の小中学校や高校で科学啓発活動を行っています。本プログラムは、双方の科学啓発活動の発展に寄与して、次世代の理系人材育成を目的としたものです。

 2020年度はコロナ禍の影響で実施できず、2021年度も招へいは困難となったことから、急きょ、オンラインプログラムを企画しました。コロナ禍の中で自宅学習がとなりっている状況は同じであることから、テーマを「小中学校におけるオンライン科学実験をどのように進めるか」としてプログラムを企画し、5回のセッションを10月20日から11且17日までの毎週水曜日10時から12時まで(日本時間)実施しました。

 参加者は、このプログラム参加に選考された10名の学生、および、これまでに招へいしたホーチミン市師範大学の教員やさくらメンバーの学生たち約30名で、三重大学からは教育学部教員8名が参加しました。さくらメンバーのうち、東京工業大学や沖縄科学技術大学院をはじめ、アメリカ、ロシア、フランス、台湾に進学した学生も参加してくれました。

 1回目のセッションは開会式と「ベトナムと日本におけるSTEM教育に関する最新事情」というテーマで、日本におけるGIGAスクール構想の概略と、シミュレーション実験の実践を紹介しました。ベトナムからはホーチミン市師範大学に設置されたSTAM教育センターの紹介があり、アメリカ、フランス、ロシア、台湾に留学して理科教育を学んでいる学生から、STEM教育やコロナ禍における理科授業について報告がありました。

 2回目は授業に役立つオンライン科学実験について情報交換をすることを目的とし、日本で活用されているデジタルコンテンツの紹介や、オンラインによるハンズオン実験の紹介をし、ベトナムからはリモート授業の状況やオンライン学習で生徒や保護者を以下にサポートするかという報告がありました。さらに、さくらメンバーが構築した科学活動ライブラリーの紹介がありました。

 3回目は、三重大学で開発したモバイル顕微鏡を活用したミクロの観察に関するワークショップを行いました。事前に参加者にはモバイル顕微鏡を送付しており、どのように活用するかを考えてもらいました。開発のコンセプトや観察事例を三重大学教員4名から紹介し、ベトナムからの観察報告に助言しました。

 4回目は、三重大学教育学部附属小学校の前田教諭によるドローンを活用した河川教育の紹介と動画による授業観察を行いました。小学5年生の授業の様子を360度カメラで撮影した動画には児童の学習記録も映し出され、教室にいるかのような臨場感で動画を見ることができる、画期的な授業記録です。参加者は各自が自由に見た後、前田教諭による授業の解説や、児童学習記録を共有するシステムを紹介しました。その後、児童が教室に来てVRゴーグルで河川をみる学習の様子とともに、児童との交流を行いました。

 5回目は、本プログラム参加に選ばれた10名の学生がプログラム参加で学んだことを発表し、プログラムに参加してよかったことや、さくらメンバーとして活躍したいと語っていました。関係者から今回のプログラムについて総括をし、その後、実施責任者の後藤太一郎特任教授から修了証がひとりひとりに授与されました。

 双方の努力によって、理科教育に関する交流を深める新たなスタイルができたことを参加者全員が共有するものとなりました。報告会で学生の一人が語った以下の言葉が、これまでの交流の成果を現わしています。

“Unite Sakura members, Spread Sakura spirit, to be great teacher and great educator”

参加者の発表スライド
参加者の発表スライド
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