2021年度 活動レポート 第3号:日中協会

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第003号 (代替オンライン)

日本における科学技術のイノベーションと科学技術サービスの発展現状及び政策措置についての
オンライン交流報告

一般社団法人日中協会からの報告

一般社団法人日中協会は日中両国における青年たちの交流を促進するために、2021年11月15日から17日の3日間、甘粛省生産力促進センターなどの優秀的な若手研究員達とオンライン交流を行いました。

今回の交流会には、甘粛省生産力促進センターをはじめ甘粛省の七つの科学技術関連機構から、約20名の若手研究員が参加しました。主な目的は、日本における科学技術・イノベーション政策の概要と科学技術サービスの内容の知識を得ることで、日中両国における科学技術のイノベーション管理方法、サービス発展状況の違いを理解するとともに、日本科学技術サービスの発展、関連人材の育成などに関わってきた日本の関連機関の研究者等との交流を深めることで、両国の科学技術のイノベーション及びサービスの一層の発展に繫げるための機会とすることにあります。

初日

午前中では、城西大学経営学部教授張本紀尋(中国名:張紀尋)氏による日本大学の産学研の取り組みについてのオンライン講義を受けました。日本における産学研の歴史と存在する意義、大学を中心とする日本産学体制、産学研連携の現状と将来及び具体的な取組事例などの紹介がありました。

午後も引き続き、張本紀尋教授から、日本の電子産業における衰退の歴史と教訓についての講義を受けました。

2日目

午前は、全日本華人博士科学技術人材交流機構理事長辛平氏による日本企業の研究開発及び産学研連携の体制についてのオンライン講義を受けました。辛氏は、約30年間、キヤノンメディカルシステムズ株式会社及びその前身の東芝メディカルシステムズ株式会社において、第一線で研究開発に従事し、部長級幹部に昇進されました。その長年にわたる自らの研究開発の経験、実例を交えて、日本企業における研究開発の課題選定、評価、社外との提携などの実情・課題について紹介されました。

午後は、中日青年促進会会長張煜氏による日本の創業支援の融資・助成制度とインキュベーション施設運営・認定・連携についてのオンライン講義を受けました。現在、張氏は農研機構で研究員として勤務されており、農研機構を例として日本の研究所の体制・現状について、また、東京大学に就学時に関わった東京大学産学協創推進本部の運営についても紹介されました。

3日目

午前は、立正大学教授苑志佳氏による日本が中小企業に対するイノベーション創出と相関人材の育成に対する支援についてのオンライン講義を受けました。

午後は、オンラインで総括会を行いました。

参加者は、3日間のオンライン講義・交流を通じて、互いに活発な討論を展開しました。そして、皆、日本における科学技術サービスの発展やイノベーション政策の状況、日中での科学技術サービスの発展状況や関連人材の育成方法の違いなど、様々な分野で学んだ知識を活用して、甘粛省の実情にあった方策づくりをすると表明しました。

日中協会としても、今後も「さくらサイエンスプラン」を通じて、日中両国の交流がますます活発になることが期待します。

下記は授業中の様子です。