2020年度 活動レポート 第53号:京都工芸繊維大学

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第053号 (代替オンライン)

京都工芸繊維大学 電子工学サマースクール2020 オンライン
Kyoto Institute of Technology Electronics Summer School 2020 ONLINE

京都工芸繊維大学電気電子工学系からの報告

令和3年3月11日より15日までの間、カザフスタンのアル−ファラビ・カザフ国立大学(Al−Farabi Kazkh National University, KazNU)およびカンボジア国立工業技術大学(National Polytechnic Institute of Cambodia, NPIC)の学生9名が、電子工学に関連するプロジェクト型オンラインプログラムに参加しました。参加者には、昨年度の本プログラム にて来日した学生も含まれており、今回は、フォローアップも兼ねたものとなりました。また、昨年度の本プログラムで訪問した京都府立園部高等学校からの生徒と本学学生も加わり、参加者全員が賑やかな時間を過ごしました。

例年、京都にて学生が一堂に会し、電子工学の知識や技術のみならず、国際交流におけるコミュニケーションスキルをも身につけるとして、実習(電子回路の作製、プログラミング、システムづくり)を主体とするプログラムを実行してきました。この状況において、手段がオンラインに限定される中、これまで取り組んできた実習をいかに取り込むかが計画の鍵となりました。プログラムを終えて、オンラインでの実習が参加者の満足度を高めたことを確信し、プログラムの運営にまで協力した本学の学生ならびにさくらサイエンスプログラムによる支援に改めて感謝いたします。

プログラムの計画段階においては、学生から意見を募り、実施内容の構想をまとめました。結局、学生が心から望むことは、学生同士が会ってその場での共同作業に没頭すること、またお互いの国を紹介し合うなど、相互の理解を得ることでした。特に、お互いの生活環境にはとても大きな関心が向けられ、あたかも参加者がそれぞれの国(カザフスタン、カンボジア、日本)にいるかのような体験をシミュレートすることがプログラムの命題となりました。そこで、お互いの位置を知る、また知らせることを目的とし、その基本技術であるGPS(Global Positioning System)を学び、それを活用するためのツールをつくることにしました。

プログラムで必要な資材を事前に参加する各組織に周知し、参加者は各組織が用意したコンピュータ、電子部品、ソフトウェアを携えて参加しました。実習では国際色豊かなグループ編成とし、各グループで、各自のバックグラウンドも電子工作やプログラミングに対する知識レベルも大きく異なる中、音声と画像だけが行ききするオンラインでのコミュニケーションを頼りにGPSツールを作り上げました。各グループがカザフスタン、カンボジア、日本、各地の位置情報を取得できたときの喜びに浸る間もなく、学生達はその情報を使って各大学の様子を、オンライン地図を利用して自然と紹介し合うようになっていました。学生がお互いに興味を持ち、自分たちで相互理解を得ようとする、これこそが国際交流(協力)の初動におけるかたちであり、参加者が意識せずしてそこに及んだことにこのプログラムの意味が表れたと考えます。すでに本学への留学(博士前期課程への進学)の意思を表明する学生もおり、今回もこれ以上ないものとして、プログラムを成功裏に終えることができました。

活動レポート写真1
カンボジアNPICでの作業風景
活動レポート写真2
園部高校での作業風景
活動レポート写真3
本学での作業風景
活動レポート写真4
参加者の集合写真