活動レポート

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第001号 (オンライン)

持続可能な産業社会の実現に貢献する日本の発酵技術

大阪大学 生物工学国際交流センター

 大阪大学・生物工学国際交流センターでは、わが国の発酵製造技術に焦点を当て、その歴史と最新の研究事例、様々なものづくりへの応用を紹介するオンラインワークショップを開催しました。ワークショップには、アジアの7か国と地域(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、モンゴル、台湾)から、学生や若手教員など約120名が参加いたしました。発酵製造技術を支えるサイエンスを学ぶとともに、同技術が持続的社会の構築にいかにして貢献しうるかを考える機会を参加者に提供することができました。

初日

 生物工学国際交流センター長のあいさつに続き、同センターの本田教授より、「Fermentation foods in Japan –their science and manufacturing-」と題した講義が行われました。本講義では、日本酒醸造とアミノ酸発酵を中心に、わが国の発酵製造業の歴史と発酵現象を支える微生物の代謝メカニズムについて解説が行われました。

 続く講義では、大阪大学・情報科学研究科の戸谷准教授から、発酵生産株の育種に重要な代謝工学について、計算科学に基づいた代謝デザイン手法を解説いただくとともに、光スイッチを用いた代謝制御に関する最新の研究成果をご紹介いただきました。

初日の講義風景(左:本田教授、右:戸谷准教授)
2日目

 大阪大学・工学研究科のプトリ助教より、「Analysis of fermented foods by metabolomics」と題した講義が行われました。メタボローム技術を用いたさまざまな食品の品質評価について、東南アジア諸国で生産される発酵食品(コーヒー、テンペ、テラシ)を例にしながら紹介いただきました。また、ご自身が留学生として大阪大学で学んでこられた経験を踏まえ、日本への留学に興味をもつ参加学生へのアドバイスもいただきました。

 最後に、サラヤ株式会社のクワン氏から、同社におけるソホロリピッドの製造技術開発について解説をいただきました。ソホロリピッドとは、酵母を用いた発酵製造により植物由来原料から生産される生分解性の洗浄成分です。講義では、ソホロリピッドの製造プロセス開発に加え、サラヤ株式会社が取り組む環境保全活動についてもご紹介いただきました。発酵生産技術が持続型社会構築のための鍵技術となりえることを再認識する貴重な機会となりました。

2日目の講義風景(左:プトリ助教、右:クワン氏)

 一連の講義の最後にオンライン学生交流会を実施しました。交流会は、ワークショップへの参加者のうち、海外留学に興味をもつ学生、約40名を招いて実施しました。本交流会には、大阪大学に在学中のアジア諸国(カンボジア、インドネシア、マレーシア、モンゴル、台湾、タイ)からの留学生9名がホストとして参加しました。Zoomのブレークアウトルーム機能を用いたグループトークで、それぞれのホスト学生から研究と日常生活の紹介を行っていただいたあと、海外留学に関するQ&Aを通じて親睦を深めました。各グループの参加者をシャッフルしながら、20分間×3ラウンドのグループトークを行いましたが、「時間が足りない」という声も聞かれるなどいずれのグループも盛況となりました。

オンライン交流会での記念撮影
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