活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第446号

社会的弱者に対する医療安全プログラム‐子どもと高齢者に焦点を当てて‐

名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻からの報告

 2020年1月19日から1月25日の日程で、フィリピン大学看護学部から学生2名と教員1名を招へいし、子どもと高齢者に焦点を当てた医療安全プログラムを実施しました。本プログラム開始1週間前に、フィリピン共和国のタール火山が噴火し、一時的にフィリピンの空港が閉鎖され、本プログラムを中止するかどうかを直前まで検討しました。その間、フィリピン大学側の招へい教員と旅行社と密に連絡を行い、予定どおりに本プログラムを実施することができました。

 本事業では、フィリピンの看護学生に子どもと高齢者の命を守る医療安全システムを理解していただくことを目的としました。

<1日目>

 中部国際空港に飛行機の到着が1時間30分以上の遅れ、長旅の疲れが心配されましたが、学生も教員も体調不良になることもなく、ホテルまでの移動中に本プログラムのオリエンテーションを行いました。

<2日目>

 医学系研究科保健学統括専攻長の寶珠山教授を表敬訪問後、竹原准教授の医療安全の講義を受講しました。さらに看護学を学んでいる演習室などの学内案内、本事業のミーティングと懇親会を行いました。

<3日目>

 名古屋大学医学部附属病院の産科病棟を見学し、MIICUの陰圧室の装置、救急カートの使用方法、新生児の呼吸センターと聴音テスト、新生児室のビリルビン測定器の使用方法、分娩室の分娩台やインファントフォーマ―の使用方法、臍帯血による酸素濃度測定器の使用方法などについて、英語が堪能な助産師から、説明を受けました。緊急時に必要な検査が産科病棟内でできる医療体制と日本の新生児死亡の低さが結びついたようでした。

ビリルビン測定器の使用方法の説明を受ける
<4日目>

 介護老人保健施設「太陽」において、入浴時の介護器具や歩行補助器具などの医療福祉器具の安全な取り扱い方法を学習しました。転倒予防のために筋力トレーニング器械や下肢の圧迫マッサージ器具などの医療福祉器具の使用方法についての説明を看護師から受けました。

下肢の圧迫マッサージ器具を体験
<5日目>

 名古屋大学医学部附属病院のNICUの見学を行い、保育器、輸液ポンプ、電子カルテの使用方法、児を沈静にさせるブルーシート、陰圧室であるファミリー部屋などの説明を看護師長から受けました。NICU室全体が「やわらかい薄い黄色」で照らされているのは、小さな赤ちゃんに優しい環境であるためだと知り、学生たちは感動していました。また、医療ミスが起こらないように、患児の電子カルテが一人につき1台のパソコンで管理され、薬や母乳の投与をバーコードで読み取るシステムに驚いていました。

名古屋大学医学部附属病院のNICUの前で
<6日目>

 フィリピン大学の看護学生が病院や介護施設で体験した内容に基づき、医療安全についての発表を行い、名古屋大学の学生や教員と討論をしました。

医療安全についての発表

 その後本プログラムの修了式を行い、民族衣装を着て名古屋大学大幸キャンパスで記念写真を撮りました。

民族衣装を着て名古屋大学大幸キャンパスで記念写真

 短期間でしたが、フィリピン大学と名古屋大学の看護学生や教員の交流も深まり、参加者全員にとり、有意義なプログラムとなりました。本プログラムを支援していただきました「さくらサイエンスプラン」に厚く御礼申し上げます。

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