2019年度 活動レポート 第432号:公立諏訪東京理科大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第432号

電動航空機を題材とした先端設計技術の学習

公立諏訪東京理科大学からの報告

公立諏訪東京理科大学では、2019年12月12日~18日にかけて、「さくらサイエンスプログラム」における活動の一環として、中国科学技術大学から学生8名と引率教員1名、深圳大学から学生7名と引率教員1名、計17名を受入れました。本プログラムは中国学生が研究交流を通して日本の先端科学研究と産業技術に対する理解を深め、将来日本との様々な分野で交流活動を行う意欲を高めることと、本学の国際交流活動を拡大することを目的としました。

中国学生が本学学生と共同で電動航空機研究に関する一部内容を勉強し、航空機設計製造プロセスを体験しました。また、最先端の製造技術、日本を代表する電子機器メーカ、航空産業の関連機関などを見学して、産業技術の全般を理解してもらいました。

まず、特別講義として、本学の雷忠教授が電動航空機に関する最新の研究開発、日本ヘリコプタ協会元会長齊藤茂氏による物資輸送無人航空機技術、キャセイ・トライテック株式会社中原隆志社長による最先端IoT技術を紹介しました。次に、本学の学生と交流しながら、CAD/CAEを用いて設計技術、性能評価、3Dプリンターによる縮小模型試作などを含めた航空機開発プロセスを体験しました。

特別講義
研修中、真剣に設計に取り組む学生たち

さらに、日本が世界に誇る独自の設計・製造技術を理解してもらうように、中国で知名度が高いセイコーエプソン社のものづくり歴史館とJAL機体整備工場を見学し、実際の製品製造及び最先端製造技術について理解を深め、工学多分野にわたって日本の最先端科学技術について中国学生の理解や関心を一層高めることができました。

エプソンものづくり歴史館と技能道場の見学
JAL羽田機体整備工場でスタッフの説明を聞いている様子

また、日本を象徴する富士山世界遺産を見学し、IT産業を代表する東京六本木ヒルズ地区を見学しました。

今回は複数の中国の大学から学生を受け入れ、本学の学生も研修や懇親会など、一部活動に参加して、3大学・2カ国により異文化交流を行い、互いに大変良い刺激を与えました。学生は真剣に課題に取り組んだり、活発に質問したり、自主的に問題解決を考えました。さくらサイエンスプログラムを実施したことを通して、本学にとっては交流範囲を広げ、国際交流活動を拡大することになりました。中国の学生が日本の先端研究に触れ、教育水準の高さを実感することで、将来の来日、留学および各分野の交流活動が行われることが期待できます。

レセプションと交流会

初めて日本を訪ねた中国学生たちが日本の科学研究と産業技術を見られて、良い勉強になり、全般的に日本への関心を高めたと思います。将来、日中交流の懸け橋になり、交流活動を促進することに期待しています。また、訪問先、特に本学の学生たちにとっても異文化交流を行うことにより、良い刺激を与えました。

最後に、本プログラムの実施に当たり、多大なご協力とご支援をいただいた各方面に、この場を借りて御礼申し上げます。

◆中国学生たちから感想文抜粋:
  • 「I have learned a lot about Japanese culture. I don't know much about it, but this project gives me the opportunity to walk into Japan and feel Japan. I hope I can come to Japan again. Maybe next year at the Tokyo Olympics, I will visit here again.」、
  • 「I want to say thank you to the students of Prof. Lei’s Lab. They have also made a lot of effort for this activity. What means the most to me is that we‘ve built a deep friendship here. We have spent an unforgettable time together.」、
  • 「I was shocked by all the things I’ve experienced such as the universities, the scenery, the city life and so on. I want to express my sincere thanks to Professor Lei and ‘Sakura Science Exchange Program’. I am looking forward to coming to Japan again to learn and experience more about this beautiful country and I also want to come here as an international student in the future.」
  • 「短短一周时间很快就过去了,我真的很不舍得。总的来说这次日本之行开拓了我的眼界,增长了见识让我深深地感受到了日本的风土人情,也见识到了日本美丽的自然景观 ,品 尝 到了日本的特色美食,以及领略了东京的繁华热闹,体验到世界级都市商圈的魅力。如果以后有机会,我也很愿意来日本旅游学习。」
  • 「回国之后,有一丝怅然。此次“樱花科技项目”之行,让我对日本产生了由衷的喜爱、赞叹,以及更深的敬意,也认识到了自己的不足之处。来日若有幸再访日本,必定要回长野故地重游。」
日程 プログラム 実施場所
1日目 来日
2日目 ・オリエンテーション:プログラム内容、注意事項などについて説明
・特別講義① 航空機産業及び航空機の研究開発」を実施
・特別講義② 無人航空機の研究開発及び応用」を実施
・特別講義③ IoT から AIoT へ」を実施 ・2カ国の3大学が参加した異文化交流会を実施
公立諏訪東京理科大学
3日目 ・特別講義④「電動航空機の研究開発及び事業化~太陽光エネルギーを利用した無人航空機から有人電動航空機へ」を実施
・体験コース①電動航空機の機体設計を実習
同上
4日目 ・体験コース②機体のCAD形状設計、CAE性能評価を実習
・体験コース③無人航空機の部品製作を実習
・交流:大学研究室と実験設備の見学
同上
5日目 ・体験コース:④3Dプリンターとレーザーカーターにより部品試作を実施、有限会社スワニーが協力
・科学技術見学①エプソンものづくり歴史館と技能道場。精密加工技術の発展及び現場製作プロセスを見学
・文化体験①山梨県立富士山世界遺産センター、日本の自然と文化と歴史を学ぶ。
セイコーエプソン本社 山梨県立富士山世界遺産センター
6日目 ・科学技術見学②JAL機体整備工場見学を実施
・文化体験②東京六本木ヒルズ都市見学を実施
JAL機体整備工場 六本木ヒルズ
7日目 帰国