2019年度 活動レポート 第401号:九州工業大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第401号

Amity University および University of Delhiの教員・学生招へい

九州工業大学大学院情報工学研究院物理情報工学研究系
グプタ スルビ―さんからの報告

九州工業大学は、令和2年1月21日から1月30日までの10日間にわたり、さくらサイエンスプログラム科学技術研修コースにより、インドのAmity University(教員1名、大学院生3名)、University of Delhi(大学院生3名)より合計7名を招へいしました。

本学はUniversity of Delhiとの大学間協定、本学情報工学部はAmity Universityと部局間協定を締結し、学術研究および教育交流を実施しています。このために、研究環境・手法のみならず互いの文化や価値観の違いを理解することを目的にさくらサイエンスプログラムによるプログラムを行いました。

本プログラムの特徴は、最先端のデバイス研究環境(文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業や学内共同研究設備)を活用して電子素子作製から特性評価までの一貫した実習を行っている点です。アジア諸国において、経済発展と共に科学技術は進展しているものの最先端の作製技術および評価技術を有する研究機関は極めて限られています。日本の恵まれた研究環境とものづくりを体験することで、海外からの優秀な若手人材の流入が期待されます。

薄膜作製実習

具体的な研修内容は、つぎの4つです。(1)参加者の研究内容紹介、(2)クリーンルーム内での微細加工実習、(3)加工した試料の電気・磁気的特性計測実習、(4)最終報告会

受け入れ側日本人学生と海外招へい者が主体的な活動を通して互いの意思疎通を積極的に図るようにしました。

クリーンルーム内での微細加工実習
試料作製後の特性評価実習

全10日間の日程を下記に示します。

1月21日 午後 インドからの招へい者が福岡空港に到着、飯塚キャンパスに移動
1月22日 午前 オリエンテーション
午後 参加者から自己および研究内容の紹介、懇親会
1月23日 午前 磁性金属多層膜作製の実習
午後 磁性金属多層膜作製の実習
1月24日 午前 九州工業大学の飯塚キャンパスから山口大学工学部へと移動
午後 クリーンルームにてデバイス作製の実習
1月25日 午前 共同研究の打ち合わせ
午後 自由行動
1月26日 自由行動
1月27日 午前 作製した多層膜の結晶的特性評価
午後 作製したデバイスの電気・磁気的特性評価
1月28日 午前 作製したデバイスの電気・磁気的特性評価
午後 作製したデバイスの電気・磁気的特性評価
1月29日 午前 最終報告会の準備
午後 さくらサイエンスに関する最終報告会
1月30日 午前 福岡空港から帰国
日本文化の体験

学生同士は日常、教育研究、文化・慣習、観光など多岐にわたり幅広い交流を行いました。短い期間でしたが、海外招へい者は先端実験機器を実際に取り扱い、試料作製から特性評価までの技術研究を行いました。今後の共同研究への積極的な議論も行うことができ、受け入れ・送り出し研究機関の双方に有益な活動となりました。