活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第391号

熱帯泥炭地保全のための地下水流速計測技術体験

山口大学からの報告

 2020年3月1日から7日まで山口大学工学部志イノベーション道場を主会場としてリアウ大学・ブンカリス高専(インドネシア)の学生を対象に、さくらサイエンスプラン「熱帯泥炭地保全のための地下水流速計測技術体験」を開催しました。山口大学で開発された流向流速計を自らの手で作り、計測技術を身に着け、インドネシア泥炭地の現場で活用していただくことを目的としています。山口大学工学部での研修は到着翌日の3月2日から6日まで行われました。

◆3月2日 流向流速計センサー製作(研修第1日目)

 研修第1日目は地下水流向流速測定に関する講義の後、流速計センサーを製作しました。山口大学で開発されたペーパーディスク型地下水流向流速計はプラスチック板とアルミ棒の組み合わせで自作できるので、インドネシアの学生も自らの手で作ることが出来ます。教員とTAが安全管理を行ったうえで実施しました。今回は4個のセンサーを作成しました。

センサー製作風景、プラスチック板にボール盤で穴を開ける。
◆3月3日(研修第2日目) 流向流速計測実習

 研修第2日目は流向流速計測を実際に行いました。流速を段階的に変化させて地下水流速を発生させて計測を行いました。中心の染料インクで印刷されたドットから染み出たインクが軌跡を作ります。流れた向きで流向を、軌跡の長さから流速を推定します。画像解析ソフトウェアで方位や流速を算出しました

実験室の地下水流速実験砂槽で流速計を用いて計測実習
◆3月4日(研修第3日目) 座学

 地下水や地盤環境、水処理に関連する講義が行われました。午前中は浮田正夫山口大学名誉教授による宇部方式と国際技術協力の紹介、宇部市上下水道局から中村篤次長によるJICA草の根技術協力の紹介、山口大学今井剛教授による「浄水処理の基礎」の講義がありました。招へい者からは活発な質問が飛び出しました。午後は山口大学工学部長を表敬訪問いたしました。リアウ大学、ブンカリス高専両機関の講師から共同研究やダブルディグリーについて熱い期待が語られました。午後の講義は秋吉台科学博物館の藤川将之博士から秋吉台のカルスト地形について、山口大学のAzizul Moqsud准教授から土壌汚染に関する講義を受けました。

◆3月5日(研修第4日目)

 研修第4日目は現地見学でした。午前中、宇部市にある廃棄物最終処分場で最新式の海面埋め立て処分場を見学し、廃棄物処分場の地下水の水質も測定しました。その後、宇部市広瀬浄水場の見学を行い、衛生施設に関する知見を得ました。宇部市はJICA草の根技術協力によりブンカリス市の水道施設の改善協力を行った実績があります。午後は秋芳洞・秋吉台を見学してカルスト地形とカルストの地下水について理解を深めました。最後は山口市の瑠璃光寺を見学し、日本の文化に触れ、寒風で冷えた体を足湯で暖めました。

廃棄物処分場における地下水質測定
◆3月6日(研修第5日目)

 研修第5日目は山口湾の海岸で現地における地下水流向流速測定を行いました。海岸に貯留された地下水が実際に海の方に向かって流れていくのを計測できました。その後修了式を実施し、帰国の途につきました。

海岸における地下水流向流速測定
修了式のあと、修了証を手に記念撮影
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