2019年度 活動レポート 第390号:科学技術国際交流センター

2019年度活動レポート(一般公募コース)第390号

科学技術理解促進の人材育成と日中青少年科学技術交流の推進

科学技術国際交流センターからの報告

公益社団法人科学技術国際交流センター(JISTEC)は、2020年1月6日から1月12日にかけて、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、「日中科学理解促進と科学技術青少年交流に関する考察」をテーマに、中国北京科学普及・文化促進会研究員11名を招へいしました。日本の修学旅行協会、科学館、博物館などの科学文化施設を視察し、科学技術教育の現場や研究機関に触れていただきました。

日本科学未来館での集合写真

本プログラムは青少年科学技術文化交流を主眼においた科学技術理解促進の人材育成と修学・研学旅行の共同研究の推進を目指したものです。日中双方が、科学技術理解促進のカリキュラム、教育現場や研究機関等との連携、今後の日中間における相互連携の促進、及び将来の共同研究や科学技術の人材交流など、様々な取り組みについて情報共有しつつ意見交換を行いました。

特に、公益財団法人日本修学旅行協会の担当の方の「日本の修学旅行の位置付け、現状、決め方、訪日教育旅行の現状」についての紹介を聴き、参加者が中国の科学普及連盟について紹介し、将来青少年交流に向けて日本との実際の連携を実施する要望を表しました。その後、日中双方が積極的に意見交換をしました。参加者からは「日本修学旅行協会との交流は今回一番印象深いことです。非常に有意義です」と高く評価されました。

日本修学旅行協会の紹介を聴く様子

また、国立研究法人科学技術振興機構(JST)では、「科学と社会」推進部の嶋田一義調査役と大川久美子主任が日本における国民理解科学と科学理解促進の現状を紹介した上で、「科学と社会」推進部の役割と事業内容を述べました。中国の参加者は科学技術宣伝における事業について紹介しました。参加者は科学と社会の繋がりに関心を持っており、様々な質問が出され、意欲が溢れました。

JST「科学と社会」推進部での意見交換会の様子

その他、企業運営の東芝未来科学館、東京都政府運営の東京スイソミル、日本科学未来館、江戸東京博物館、および大学の科学普及施設である千葉工業大学Tokyo Skytree Town Campusなど、日本の科学技術や文化を含めた多岐にわたる施設を視察し、どの機関においても熱心かつ謙虚に質問する姿が印象的でした。参加者は、日本では科学技術が普及しており、文化理解を深めるために、科学技術交流人材や青少年の育成に大きな役割を果たす科学館や博物館を設立したことを高く評価しました。

東京スイソミルでの発電体験の様子
千葉工業大学Tokyo Skytree Town キャンパスでの人工衛星「はやぶさ2号」視察の様子

最後に、参加者たちは上野、浅草などで文化体験をしました。国立西洋美術館、東京国立博物館、国立科学博物館、浅草寺、スカイツリーなどを訪れ、様々な日本文化に触れ合い、綺麗な青空や街並み、真剣で責任感があり、親切で思いやりを持つ日本人に感銘を受けました。

報告会においても、参加者から「今回のプログラムは日中の修学旅行・研学旅行の交流に非常に役に立っている。日本の科学技術理解促進が素晴らしい。」「日本の科学技術は非常に発展している。青少年の科学技術理解促進活動が豊かだ。」「日本の科学館の理念やスタイルを理解したり、日本文化の特色を体験したりして、初めて日本に来たが、好きだ。今後チャンスがあれば、留学や交流のため、再度来日したい。」などの感想を聞くことができました。

参加者の皆さんから、今回さくらサイエンスプログラムに参加することができ、日本において貴重な体験が出来た事への謝意を受けました。

本プログラムを通じて、参加者は日本の修学旅行、科学技術理解促進についての理解を深めた上に、日本文化や生活習慣、また、温かいおもてなしを体験できて、日中双方の人材育成と青少年科学技術・文化交流の共同研究への意欲を強めていただいたようです。今後の更なる青少年交流、相互連携、科学技術人材の流動を期待しています。

最後に、今回の交流活動をご支援いただきましたさくらサイエンスプログラム、ならびにご協力いただいた関係者の皆様には心より御礼申し上げます。