活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第382号

高分子導電材料のバイオセンサーへの応用および顕微画像を用いた複合材料の品質分析に関する日中交流

九州工業大学大学院工学研究院
電気電子工学研究系からの報告

 このたび、さくらサイエンスプランの支援を受け、中国江蘇省揚州大学化学化工学院の有機材料研究グループを招き、科学技術体験コースのもとで、共同研究の研究打ち合わせ、研究室見学などを行いました。来日したのは同大学の教員、大学院生の計6名で、2019年11月25日から12月1日まで、一行が滞在する5日間(移動日を除き)に、九州工業大学の2キャンパス、計4研究室を訪問し、研究打ち合わせや研究発表を行いました。

<1日目>

 九州工業大学若松にある生命体工学研究科の脇阪研究室を訪問し、脇坂教員による研究紹介を受けたのち、来訪者たちは各自の研究について発表を行い、研究交流を深めました。その後、北九州市エコタウンセンターを見学して北九州がかつての工業都市から環境モデル都市へと移り変わっていく過程を興味深く見入り、「中国が最も参考すべきモデル都市である」と、口を揃えて感想をのべていました。

脇坂教員による研究紹介
北九州市エコタウンセンターにて
<2日目>

 九州工業大学戸畑キャンパスにある張研究室を訪問し、張教員による研究室紹介のあと、研究室所属の博士後期課程学生による研究発表を行い、またこれについて論議を行いました。最初は物質化学と情報処理分野における物の捉え方の違いにより、材料の顕微写真に映る粒子を検出する際のクラスターの大きさや重なり状態による粒子そのものの定義について分岐がありました。しかし、議論を深めるに連れ徐々に互いの主張を分かり合えるようになり、最終的には、課題の明確化と理解の統一に至りました。参加者の学生の皆さんは、このやり取りを目の当たりにしたことで、意見をぶつけ合うことの大事さを知ることができました。

研究室所属の博士後期課程学生による研究発表
<3日目>

 九州工業大学若松にある生命体工学研究科の池野研究室を訪問し、生物機能分子とナノ材料の融合による新規機能性材料の開発とそのセンサへの応用、そして、生物機能分子のバイオプロセスへの応用について、説明を受けました。実験室を見学した際に、煩雑な作業手順を厳密、忠実に従っていることに感服したようです。

<4日目>

 九州工業大学戸畑キャンパスにある横野研究室を訪問し、機能性光触媒について横野教員によるレクチャーを受け、来訪の学生も各自研究発表を行いました。また、横野研究室に在籍している揚州大学からの博士後期課程ダブルディグリーの学生と懇談会を開催し、日本で生活、勉強する上でのコツや注意点などについて情報交換を行いました。この日は金曜日でもあり、修了書の授与や、お疲れさまの懇親会も行ないました。

横野研究室にて
<5日目>

 土曜日でしたので、これまでの4日間の頭の疲れを取るため、北九州市にある日本新三大夜景の皿倉山を登り、北九州市の自然環境と触れ合うことにしました。朝10時過ぎから登り始め、沿道の植生や野花を鑑賞し、小鳥の囀りを聴きながら、他の登山者とも挨拶を交わしました。山の8合目程度の南側で、偶然にも冬桜に出会い、桜の下でさくらサイエンスに相応しい一枚の写真を残しました。山頂に着いたのは12時ごろ。展望台から見下ろす北九州市の風景の美しさに大興奮し、写真撮影に夢中でした。

桜の下でさくらサイエンスに相応しい一枚

 お昼は皿倉山ビジターセンターにお邪魔し、頂いたお湯で持参したカップ麺を食べました。オレンジ色のジャンパーを着ているスタッフはとても優しく対応してくださいました。下山時は隣の権現山にある皇后杉に寄り道をし、樹齢300年以上の大木に合掌してから表登山道を降り、皿倉山を後にしました。

 今回の訪問の中で、研究面での重みは大きく、ハードなスケジュールになりましたが、来訪者の皆さんは若さゆえに、難なくこなす事が出来ました。北九州発祥の資さんうどん、福岡中心の一蘭ラーメン、全国チェーンのスシローなど、食文化もたくさん体験し、門司港レトロ、小倉城などの観光名所へ時間を余す事なく積極的に出向き、存分に日本文化を触れる事が出来ました。

 また、何より来訪者の5名の学生のうち、1名が来年度の博士後期課程ダブルディグリープログラムに進学する事が決まり、1名が同プログラムへの進学を検討し、1名が博士後期課程1年間の訪問研究を計画する事に至りました。

 末筆ながら、このような貴重な機会をいただいたことに対し、「さくらサイエンスプラン」ならびに関係者の皆様に深く感謝いたします。

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