2019年度 活動レポート 第360号:名城大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第360号

次世代の研究交流の架け橋となる日中科学技術交流プログラム

名城大学からの報告

2019年9月29日から10月5日まで、「さくらサイエンスプログラム」により、中国南京市にある中国薬科大学から10名の学生と1名の教員が来日しました。両大学はこれまでも多くの交流実績がありましたが、主に教員による研究交流が行われており、学生が本学に来るのは初めてでした。

名城大学附属図書館エントランスにて

2日目

午前中、本学のメインキャンパスである天白キャンパスを見学しました。2014年に赤崎先生、天野先生が青色LEDでノーベル物理学賞を受賞されたのを記念して開設された「赤﨑・天野ノーベル賞記念展示室」を見学しました。その後、本学のシンボルであるタワー75の展望ラウンジから一望できる名古屋の景色を堪能してました。

午後は薬学部のある八事キャンパスに移動し、モデル薬局で4年生の学生が5年次の病院・薬局での実務実習に向けて調剤業務の実習をしている様子を見学しました。夕方からは学生食堂で学部主催の歓迎会が行われ、日本人の学生は英語でコミュニケーションを取ることに不慣れでありましたが、日本語を話せる参加者の助けもあり、大いに盛り上がっていました。

懇親会にて

3日目

岐阜県各務原市にある内藤記念くすり博物館およびエーザイ川島工園を見学しました。博物館では薬の歴史や薬の開発について学びました。またエーザイの工場では、実際に薬が製造されている様子を見学しました。最後に、隣接する薬用植物園では漢方(中国では中葯)で用いられている薬草を実際に見ました。中国でも、栽培している薬用植物を直接見ることはあまりないらしく、みんな興味を持って見ていました。

内藤記念くすり博物館薬草園にて薬用植物の観察

4日目

薬学部の薬物動態制御学研究室と天然物化学研究室を訪問し、それぞれの研究室で行われている研究についての説明を聞きました。

5日目

愛知県瀬戸市にある愛知県陶磁器美術館を見学し、日本の陶磁器に中国の技術などが深く関わっていることに驚いた様子でした。午後からは、日本を代表する産業である自動車工業を学ぶため、愛知県長久手市にあるトヨタ博物館を見学しました。

トヨタ博物館で記念撮影

6日目

生薬学研究室を訪問しました。ここでは、昔中国から伝えられた処方が日本で現在どのように使われているか、またその薬理学的裏付けについての研究を紹介され、活発な質問がされていました。午後は、薬学部のある八事キャンパスのすぐそばにある八事山興正寺、そして1900年以上の歴史を持つ熱田神宮を見学しました。

名城大学薬学部生薬学研究室でディスカション

7日目

帰国に向けてセントレアに移動しました。慣れない生活でだいぶお疲れの様子でしたが、最後に全ての研修生が「是非日本に来て勉強したい」「もっとよく日本について知りたい」と訴えかけるように言ってくれ、中には「帰りたくない」と涙ながらにいいながら保安検査所に入っていく研修生もいました。

若い世代の交流がこの研修により活発になり、両校の学術交流が末永く続くことを確信させる機会となりました。これも「さくらサイエンスプログラム」のご支援の賜と思います。とても有意義な国際交流の機会をいただきましたことを心より感謝申し上げます。