活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第359号

アジア6か国からの若手の招へい 「生物資源環境学の展開」

東京大学からの報告

 人口増加と経済成長を続けるアジアでは環境破壊のリスクが恒常的に高く、森林、農地、沿岸域など環境の多様性を踏まえて、環境修復技術、環境調和型の生物生産技術を構築することが必要とされています。このような問題に関心を持つアジアの優秀な青年に対して、生物資源環境学の最先端を紹介し、持続可能なアジアの発展に対する理解を深め、専門的共同研究に参画させ、さらに参加者間での交流のきっかけも作るという趣旨で、2019年11月11日から29日に、科学技術共同研究コースBとして、東京大学アジア生物資源環境研究センター(ANESC)が中心となってプログラムを行いました。

富士山麓森林生態系で。招へい者のさくらプログラムのイメージした一言とともに

 アジア6カ国(インド、カンボジア、タイ、中国、フィリピン、マレーシア)の8機関から12名の教員・研究員・大学院生を招へいしました。全体プログラムでは、まず、ANESCの研究室を訪問して研究材料や研究設備・施設を見学し、4つの研究プログラム(環境修復プログラム、地球規模環境問題対策プログラム、持続的地域資源利用プログラム、有用遺伝資源開発プログラム)の説明を聞きました。

 また、農学生命科学研究科の環境調和農学特別コースの演習「農林水畜産業と環境負荷」と「農林水畜産業と生態系攪乱」に参加し、附属施設(生態調和農学機構、田無演習林、富士癒しの森研究所)の見学を行いました。生態調和農学機構では、エネルギー節約型の温室でのレタス水耕栽培、有機栽培水田と生物相の見学を行い、田無演習林では、日本の森林資源の変化と特徴、演習林の役割について講義を受け、様々な樹木や苗圃の見学と、樹木の測定の実演を行いました。富士癒しの森研究所では、紅葉の素晴らしい富士山麓森林生態系の中で、景観性などの多面的機能と森林管理について説明を聞きました。また、快晴の富士山火山荒原植生遷移試験地での植生を見学しました。

雑木林の樹木の高さと太さを測定する

 選択プログラムでは、作物の根形質のフェノタイピング技術の研究、菌根菌と植物の共生機能の解析技術の研究、有害微細藻類の顕微鏡観察による同定技術に関する研究に参画し、関連する研究施設等の見学も行いました。当センターの教員だけでなく、博士課程の留学生や日本人TAらとともにディスカッションをしながら、自分の学業・研究を紹介して、交流を深めました。

イネの根系と内部形態のフェノタイピングについての議論
菌根菌染色方法のテスト
選択プログラムの1コマ―菌根菌と植物の共生機能の解析

 また、毎年利用している宿泊施設が、グレードアップしたベジタリアン料理で対応してくれて、大変うれしい思いもしました。異文化からの招へい者とのサイエンスを共同するためにも、食事の提供は重要で、日本社会も少しずつ開かれたものになってきていることを感じさせられました。

 東京大学における国際交流の状況の説明、農学生命科学研究科への留学のための方法について、国際交流室よりガイダンスを受けました。将来の留学や研究での再来学への動機も高められ、寝食を共にした濃密なプログラムを通じて参加者の間での交流も深められました。ANESCメンバーと参加者、また参加者間の交流がFacebookページ等を通じて今後も継続されることを期待しています。

滞在型プログラムで、異文化交流
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