2019年度 活動レポート 第354号:九州大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第354号

台湾の若手研究者が日本の医療イノベーションを学ぶ

九州大学からの報告

2019年11月24日~2019年11月30日(7日間)、九州大学病院ARO次世代医療センター及び九州大学先端融合医療創成センターでは、医療イノベーションを担う人材教育およびアジア諸国との連携強化を図るため、台湾より優秀な若手人材5名を招へいし、九州大学を起点に医療イノベーションを推進する九州の企業を訪問して、ジョイントセッションを実施いたしました。

招へい者には事前に、訪問企業に関するレポートを提出していただき、限られた時間で有意義なディスカッションを行うための準備のうえ来日していただきました。

プログラム初日は九州大学にてKick-off meetingを行い、招へい者による研究紹介、当プログラム参加への抱負を発表していただきました。

九州大学病院アジア遠隔医療開発センター(TEMDEC)にて活動説明を受ける様子

その後、下記の通りジョイントセッションを実施いたしました(実施順)。

  • 国立大学法人 九州大学
    1)臨床及び橋渡し研究拠点としての九州大学のミッション説明
    2)細胞調製室(GMP準拠施設)
    3)アジア遠隔医療開発センター
    4)病院検査部
  • 沢井製薬株式会社 九州工場
  • 安川電機みらい館
  • KMバイオロジクス株式会社 本社/熊本事業所
  • 株式会社新日本科学 安全性研究所
  • 久光製薬株式会社 鳥栖工場
安川電機みらい館にて集合写真
新日本科学安全性研究所にてジョイントセッションの様子

今回の事業では医療用医薬品の開発-製造・販売における基礎研究、非臨床試験、臨床研究、医療現場について、現場に従事する方とのディスカッションにより理解を深めていただきました。普段公開されない各製薬会社におけるR&Dシステムの紹介、開発中の医薬品に関する研究内容の紹介をしていただき、招へい者との活発なディスカッションが行われました。

最終日、九州大学での報告会の様子

さらに非臨床試験に関しては、求められるデータのクオリティ、試験の管理体制、動物の倫理に関する日本での規制について学び、日本における医療イノベーションを支える仕組みついて議論し、理解を深めていただきました。招へい者からも、宗教上の規制、動植物の移動制限、カルタヘナ法に関する課題、共同研究への発展の可能性が提起されるなど、活発な討議が行われました。

本プログラムへご支援くださいましたさくらサイエンスプログラム、ジョイントセッションを共催いただいた企業の皆様、後援をいただきました日本製薬工業協会に深く感謝申し上げます。

最終日、九州大学での報告会の様子