活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第351号

グローバルな視点から未来の防災・減災を考える

東北多文化アカデミーからの報告

 台湾から15名の高校生と教員を招へいして実施された本プログラムは、東北地方を襲った巨大台風の爪痕がまだ残る仙台で2019年10月20日から始まりました。

<10月21日 東北大学災害科学国際研究所訪問>

 災害科学の講義から始まりました。東北大学災害科学国際研究所の所長である今村文彦先生の講義、そして、東日本大震災のビデオ視聴。学生たちは、3Dの迫力ある画面に見入り、そして、地震に伴う津波の恐ろしさを目の当たりにして、災害と人間との関係を強く感じているようでした。今村先生の講義の後は、次々に手が挙がり、今村先生は一つ一つの質問にとても丁寧に答えてくださっていました。その後、タイ出身のアナワット先生による研究所の展示物についての説明があり、災害科学研究の広がりと奥深さに触れることができました。

災害科学国際研究所で東日本大震災の被害と災害研究について聞く学生たち
<10月22日 被災地巡検>

 前日の教育を受けて、アナワット先生の随伴で、実際に被災地に足を運ぶ巡検が行われました。この日は朝からひどい土砂降りで、風も強く、決して屋外の活動には向かなかったのですが、旧荒浜小学校の見学、閖上地域の見学を通じて、この9年近くの間に、見る影もなく変わってしまった被災地の様子を知ることができたようです。

<10月23日 東北大学電気通信研究所訪問>

 朝9時半から4時半過ぎまでの大変長丁場となりました。午前は台湾出身の曾加惠先生による感覚と脳の講義とワークショップ、午後は枝松圭一先生の講義とワークショップ、本間尚文先生の講義でした。先生方は学生の興味や関心をうまく引き出しながら、専門性の高い内容を理解できるように、随所に工夫をなさっていました。

錯視のワークショップでお互いに教え合う学生たち
<10月24日 東北大学医学部訪問>

 午前は虫明元先生の脳の講義、午後はスキルスラボでの実技演習、メガバンク機構の見学と盛りだくさんでした。スキルスラボの実習では心音を聞いたり、気管挿入を体験したり、どれも真剣に、しかし楽しんで取り組んでいる様子が印象的でした。その後、楽しみにしていた仙台一高へ移動し、ホームステイファミリーとの初めての面会があり、学生は緊張しながらも、興奮を抑えきれない様子でそれぞれのホームステイ先へと散っていきました。

気管挿入の体験で指導を受けながら実習を行う学生
モニターを見ながら実習の内容を確認する学生
<10月25日 宮城県仙台第一高等学校訪問>

 午前中は仙台一高との交流プログラムとして、仙台一高生と協働して制作を行うサイエンスチャレンジが行われました。午後は南投高中生、大同高中生がこの日まで数か月をかけて準備を重ねてきたポスター発表。仙台一高生も、難しい英語になんとか食らいついて、同じ高校生同士、必死に意見を戦わせる様子は本当に素晴らしかったです。

仙台一高生とともに取り組んだサイエンスチャレンジ
<10月26日 帰国>

 朝、ホームステイファミリーが参加者を仙台駅まで送ってきて、名残惜しそうに話したり、手を握ったりしているのが印象的でした。この交流が、若い高校生たちの未来に、何か大きなものを残してくれることを祈りつつ、仙台を後にしました。

 台風が直撃の1週間前でなくて本当によかった、と思いながらの実施でしたが、10月というのに、あまり天候は芳しくなく、それでも、参加者は誰一人医療機関にもかかることもなく、意欲的にすべてのプログラムに関わってくれたことが、何よりの幸いでした。

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