2019年度 活動レポート 第306号:長岡技術科学大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第306号

安心・安全と高付加価値を目指した先進食品生産と品種改良・育種技術

長岡技術科学大学・生物機能工学専攻
西村 泰介さんからの報告

長岡技術科学大学・生物機能工学専攻では、ハノイ工科大学とベトナム国家農業大学から招へいされた10名の学部生を迎え、2名の引率教員と共に、日本有数のコメ生産および産業拠点の1つである長岡で、品種開発、食品加工、バイオテクノロジー技術の見学・体験を行いました。

両大学にはこれまでも本学独自の「海外実務訓練」プログラムで本専攻の学部生数名を毎年4ヶ月間派遣するなど、学生交流・共同研究を続けてきました。ハノイ工科大学バイオテクノロジー学科・食品学科とは、修士ダブルディグリープログラムを開始しており、今回はその候補生が参加しました。またベトナム国家農業大学バイオテクノロジー学部からは以前にも、本専攻の修士課程に入学した実績があり、今回も日本での留学を希望する学生が参加しました。

11月25日

初日は、歓迎の挨拶、大学・専攻の紹介、ガイダンスの後、ゲノム編集といった最新の育種技術についての講義を受講し、その後は本専攻の各研究室の研究内容を見学するラボツアーに参加しました。それぞれの研究テーマの説明に熱心に耳を傾け、活発に質問する様子がみられました。

11月26日

午前は長岡市内の新潟県農業総合研究所様を訪問し、様々な農業技術について実際に手を触れることで、学習させていただきました。米の品種作出技術についてはもちろんのこと、大きな農業機械なども興味深かったようです。

新潟県農業総合研究所の見学

午後は同じく長岡市の米菓メーカーである岩塚製菓株式会社様を訪問し、お米からおかきやおせんべいを製造する過程を最初から最後まで見学させていただきました。自動化された工場でおかきが焼きあがる様子に、驚きの声が上がっていました。溢れる笑顔で焼きたてのおかきを試食していたのが印象的でした。当日は好天に恵まれ、ベトナムでは珍しい紅葉も楽しんでいました。

岩塚製菓株式会社工場見学の準備中

11月27日-28日

本学で体験実験を行い、ゲノム編集を始めとした先端のバイオテクノロジー手法を学びました。この2日間の実験の指導を通して、本学の日本人学生・留学生との交流も深まり、教員を介さずに一緒に街に出て食事などしていました。

ゲノム編集植物のDNAを解析中

11月29日

各学生による本プログラムの成果報告会を行いました。短い実験・準備期間にも関わらず、しっかりとした理解の上の熱意のある発表でした。その後交流会が開かれましたが、ベトナムからの参加学生の積極的な姿勢に本学の学生も刺激され、予想以上に学生どうしの活発な議論が見受けられました。本プログラムは本学の学生にとっても非常に良い機会であったと実感しました。

この日は小雪も散らつき、震えながらもベトナムでは体験できない気候も十分楽しんでいました。

交流会での一コマ

5日間と短い期間でありましたが、本プログラム参加学生からは、日本への留学を改めて希望したいという意見を多くいただきました。このような学生交流は今後も継続していきたいと考えております。今回訪問させていただいた新潟県農業総合研究所様と岩塚製菓株式会社様には快く見学の希望に応じてくださり、心から感謝いたします。最後にこのような機会を与えてくださった「さくらサイエンスプログラム」に心よりお礼申し上げます。

修了証授与式での参加者全員の集合写真