活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第295号

国土強靭化における最先端防災技術研究人材の育成

東京大学大学院工学系研究科からの報告

 東京大学大学院工学系研究科では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、2019年12月15日から21日まで、インドにおける最高の教育機関であるインド工科大学(IIT)4校、カンプール校5名、IITデリー校4名、ハイデラバード校3名、ボンベイ校3名の学部および大学院学生合計15名と引率教員のIITカンプールの教授1名を招へいし、自然災害に対する意識向上と災害管理技術学習をテーマとして、東京大学関連講義への参加、学内外研究施設の視察等を行いました。

安田講堂前で記念撮影

 我が国は、自然災害に関連する社会インフラの防災・復旧に関する研究において、多くの先進的な成果を挙げており、当該分野は、独自性、優位性を有するインフラシステムの代表的な地位にあります。産業分野の創成にも力を入れており、インフラシステム輸出戦略の中心になっています。一方、インドは世界でも災害の発生しやすい国の1つであり、位置的、地理的な特徴から、サイクロン、干ばつ、洪水、地震、火災、地滑りや雪崩のような数多くの自然災害が発生します。災害管理戦略を向上させ、長期的に国の災害による被害を軽減する能力を高めるために、意識と災害管理に対する有能な人材を育成するのが喫緊の課題となっています。

 本交流プログラム活動初日は、オリエンテーション、キャンパスツアーを実施したあと、本所防災館で、地震・煙・都市型水害・暴風雨を体験できる「雨風・水害コース」に参加しました。また、鉄道総合技術研究所、鹿島建設西調布実験場を見学し、鉄道や巨大構造物の最新防災・耐震技術について学習しました。東京大学の最先端の教育研究設備の視察、講義の受講、防災体験ツアー、民間企業研究機関の見学などの企画によって、日本の防災意識、管理と社会文化の関係などの優れた点を認識してもらうことができました。

土質研究室見学
本所防災館で暴風雨体験

 最後に、防災技術を中心としたテーマでセミナーを開催し、講義の受講や学生同士の交流の機会も設けて、本学における世界最高レベルの教育・研究を体感してもらうことができたと考えます。

 一方、初来日した学生のために、日本語教室、茶道体験など、日本の文化を体験する機会も設けました。また、本学が実施している日印交流プラットフォーム構築プログラムによる日印の交流発展、ネットワーキングのためのシンポジウムが12月20日に開催されたことから、このシンポジウムにも参加し、専門分野にとどまらず大学レベルや産官学連携等に及ぶ日印交流について知見を広げることができました。

茶道体験

 本交流プログラムは、国土強靭化に関わる社会インフラなど専門分野の動向を捉えつつ俯瞰的視野を持つことができるように企画したもので、最先端の研究を体験するともに、日本で実務経験を通じて、自国の技術移転問題への関心を喚起できたと考えます。最終報告会では、今回経験した日本での防災教育や最新防災設備見学が刺激になって、特に、インドで頻発する洪水による水害に関して防災意識・対策を強化すべきだという意識の高まりがうかがえました。今回のプログラムを通じ、インドの自然災害分野における最先端防災技術を研究する人材育成へ微力ながら貢献できたのではないかと考えています。

最終報告会
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