2019年度 活動レポート 第294号:神戸大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第294号

SDGsに貢献するバイオシステム工学

神戸大学大学院農学研究科
教授 伊藤 博通さんからの報告

「さくらサイエンスプログラム」の支援により、2019年11月17日から同年11月24日までの8日間で科学技術研修コース「SDGsに貢献するバイオシステム工学」を実施しました。スリランカ民主社会主義共和国のルフナ大学農学部農業工学科、インドネシア共和国のボゴール農科大学農業工学部およびアンダラス大学農業技術学部の各大学から引率教員1名と学生3名、合計12名が参加しました。

11月18日はオリエンテーションを行いました。河端俊典農学研究科長による神戸大学と農学研究科の紹介と、農学研究科教務学生係事務補佐員の堀 純子さんによる神戸大学への留学についての説明がありました。また、本科学技術研修は4グループで構成されており、伊藤博通教授、庄司浩一准教授、井原一高准教授および黒木信一郎助教からそれぞれ植物工場、田植機、畜産廃水浄化、食品品質評価に関する説明があり、学生9名がそれぞれ研修を希望するグループを決めました。

11月18日から11月22日まで4グループに分かれて科学技術研修が行われました。

植物工場グループ

人工気象機内で栽培するサフラン球茎に含まれるデンプン濃度を光散乱計測法により非破壊で計測する手法を学びました。

植物工場グループ研修風景

田植機グループ

参加者母国での近未来の活用を視野に、一輪田植機への乗車と操作体験、人の乗車を仮定したときの二輪田植機の性能試験など、受講生自ら泥の中で試行錯誤をしながら学びました。

田植機グループ研修風景

畜産廃水浄化グループ

持続可能な畜産業に必要な環境技術として、家畜の疾病治療や成長促進に使用されている抗生物質の物理化学的な無害化技術について、理論と実験の両面から科学技術研修を行いました。

畜産排水浄化グループ研修風景

食品の品質評価グループ

異なる温度条件に貯蔵したホウレンソウ葉の脂質過酸化物や抗酸化酵素活性、DPPHラジカル消去能を計測し、鮮度保持効果の定量的な評価法についての科学技術研修を行いました。

食品品質評価グループ研修風景

11月21日は大阪府立大学植物工場研究センターを見学し、植物工場に関する技術開発の実際を知ることができました。

11月23日は各グループがそれぞれ研修成果について発表を行いました。今回の研修で2015年から通算4回目の研修となるため神戸大学の学生は海外の学生達とのコミュニケーション能力が向上しており、効果的な実験補助を実現しました。その結果、研究期間が短期間であったにもかかわらず各グループ共に目的、方法、結果および考察の各項目について的確にまとめられており、高水準の発表でした。

各グループ共に2カ国3大学の混成のメンバーでしたが、英語でのコミュニケーションは良好であり協力し合って結果報告が行われていました。発表の後で各グループの指導教員による評価および、伊藤による総合評価が発表されました。最後に修了証を各学生に授与してプログラムを終えました。

成果発表風景