活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第287号

インド理科大学の大学院生と第3のイノベーション生態系について考える

豊橋技術科学大学総合教育院
藤原 孝男さんからの報告

 2019年12月9日(月)に中部国際空港に出迎え、同年12月15日(日)に同空港から見送りました。招へい対象は、インド理科大学(Indian Institute of Science: IISc)の経営学研究科(Department of Management Studies)の大学院生10人で博士課程学生7名(内、女子学生3名)と修士課程学生3名(内、女子学生0名)の構成です。テーマは、本学の置かれた立地の特性から豊田市の自動車下請け製造業集積、浜松市の光工学などの製造業ベンチャー集積、そしてIIScが立地するバンガロールのソフトウエアなどのベンチャー生態系を比較し、特にベンチャー生態系と製造下請け生態系に補完的な第3の産業生態系を模索・提案することを目的としました。

 日程の主な内容は、12月10日(火)に浜松市の浜松ホトニクス中央研究所とスズキ湖西工場に学外研修で出掛け、日本のシリコンバレー「浜松市」の雰囲気に触れました。

浜松ホトニクス中央研究所の見学

 12月14(土)はトヨタ産業技術記念館を見学し、国内の一極集中的製造拠点としての愛知県での繊維から自動車への製造業シフトを体感しました。

トヨタ産業技術記念館の見学

 同日午後は、名古屋城内の本丸御殿を見学し、日本の伝統的文化を堪能しました。

名古屋城内の本丸御殿の見学

 また、12月11日(水)から13日(金)は学内で両大学院生の研究発表、授業「ファイナンス」「リアルオプション」でのプレゼン・学生との議論、学内半導体研究施設EIIRISのクリーンルーム内を見学し、MOTの基礎と先端的な課題について議論しました。

半導体研究施設EIIRISのクリーンルーム内見学

 テーマの問題意識は、シリコンバレーのようなベンチャーによる多産多死的革新方法が画期的なアイデアを実現する可能性の反面、一握りの飛躍的な成功ベンチャーに加えて、大多数のベンチャーの倒産をもたらす非効率な革新システムでもあります。他方で、豊田市の自動車産業下請システムでは、不連続的飛躍よりも連続的・逓増的な改善に力点が置かれ、効率的な無駄の少ないシステムと思われます。本学が立地する豊橋市は新規産業創出に適した浜松市と自動車の製造・改善に適した豊田市との中間に位置し、開発と製造・改善のマッチング機能を果たすポテンシャルと有するとも考えらます。

 ゼミでの両国の学生のプレゼン・議論では、主に数理的なモデルを用いて、新産業創出・環境エネルギー・水資源・最適輸送経路・リアルオプション・金融工学などのテーマで討議しました。

 インド理科大学はバンガロールに1校しかなく、理系のトップスクールで、経営研究科はそこに所属するビジネススクールです。過去に、本学とIIScとは、さくらサイエンス・プログラムに加えて、EDGE-NEXTでの海外研修2回、JSPS ―ICSSR二国間セミナーにて2回、その成果を海外専門誌の特集号に2回収録し、スズキ財団のフェローシップによるポスドクの受け入れ、そして2018年にはMOUを締結しています。

pagetop