2019年度 活動レポート 第264号:さいたま市立大宮北高等学校

2019年度活動レポート(一般公募コース)第264号

台湾の高校生とサイエンスプログラムを行いました

さいたま市立大宮北高等学校からの報告

本校では「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け令和元年12月16日(月)から12月22日(日)にかけて台湾の台北市立高級中学から選抜された高校生10名、先生1名を招へいし、サイエンスをテーマにした様々なプログラムを実施しました。

日本科学未来館を訪問

12月16日(月)羽田空港に到着後、日本科学未来館を見学しました。体験型の展示物が中心となっている未来館を見学し、サイエンスコミュニケータの説明を真剣に聞く姿を随所に見ることができました。

日本科学未来館にて

STEMプログラム「大宮北高GP :ラバー・バンド・カーレース」を実施

12月17日(火)〜18日(水)の2日間、本校2学年理数科生徒とグループを組みSTEMプログラムを行いました。今年のSTEMプログラムのルールは、グループごとにゴム動力の車(ラバー・バンド・カー)を制作し、その車が走った距離を競うというものでした。

初日のラバー・バンド・カー制作では、各グループともレースに勝つことを目標に試行錯誤を繰り返す様子を見ることができました。また、グループ間のコミュニケーションは英語をベースに行われましたが、英語でうまく説明できない場面では絵やボディーランゲージを用いて積極的に意見を交わす様子を見ることができました。
そして、2日目になるとメンバー間の信頼関係がより深まる中、レースで使用する車の最終調整と、グループのコンセプトを説明するプレゼンテーション資料の制作がおこなわれました。その後、行われた”大宮北高GP”ではグループごとのプレゼンテーション、最後にレースが実施されました。レースでグループごとに趣向をこらした車を走らせ一喜一憂する中、SREMプログラムを終了することができました。2日間に渡って行われたSTEMプログラムを通じて両国の生徒間には友情と信頼関係を築くことができました。

STEMプログラムの様子

川越フィールドワーク

12月18日(水)、STEMプログラム終了後、本校生徒がガイドとなり川越を訪れました。小江戸、川越では城下町の雰囲気を残した町並みをグループごとに見学しました。また、参加した高校生たちは随所に見られるお菓子屋さんに立ち寄り、様々なスウィーツを頬張る姿も見られました。さらに、日本人にはこの時期に見慣れた紅葉も、台湾の高校生にはとても珍しいものとして写ったようで、紅葉した木々を見つけるたびに喜ぶ姿も見られました。

川越フィールドワークの様子

埼玉大学理学部の講義および施設見学

12月19日(木)、埼玉大学を訪問。埼玉大学では理工学研究科、理学部、工学部の先生方の協力で、研究室や最新の研修施設を見学させていただくことができました。そして、午後には永澤名誉教授の科学セミナーや埼玉大学の学生たちとの交流会が行われました。台湾の高校生達は母国で実験などを行う機会が少ないためか、永澤先生の演示実験を食い入るように観察し、疑問点をいつまでも質問する姿を見ることができました。

永澤先生の化学の講義

走査型電子顕微鏡操作体験プログラム

12月20日(金)は再び会場を大宮北高校に移し、走査型電子顕鏡(SEM)および実体顕微鏡などを用いたプログラムを行いました。当日、はじめに校内を探索して試料集めを行い、その後、持ち寄った試料をSEMで観察しました。全員がSEMの操作は初めてということもあり、最初は戸惑う姿も見られましたが、簡単に10,000倍を超える高倍率で試料を観察できることを知り、日本の最先端機器の優秀さと理科教育の高さに驚きを隠せない様子でした。

SEMを操作する生徒の様子

金沢フィールドワーク

12月20日(金)〜22日(日)には日本の伝統文化の奥深さを体験するために金沢を訪問しました。金沢ではボランティアガイド2名の案内で兼六園、金沢城公園、近江町市場、ひがし茶屋街など金沢を代表する観光地を訪れました。さらに、安江金箔工芸館にて金沢の伝統工芸である金箔工芸の技術を学んだり、兼六園内の時雨亭で茶道を体験したりしました。古くから残る日本文化と近代的な建造物が織りなす日本ならではの町並みを見学することで、日本の美しさを台湾の高校生にも伝えることができたのではないかと思います。