活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第256号

分子生物学をミャンマーの水産分野で実践する:DNAを用いた魚種鑑定

東京海洋大学からの報告

 東京海洋大学では、さくらサイエンスプランによるご支援により、東南アジア有数の水産国ミャンマーのモーラミャイン大学、農業・牧畜・灌漑省水産総局、ヤンゴン大学から3名を招へいし、2019年10月21日(月)から10月29日(火)の日程で共同研究活動コースを実施しました。

 本コースは「分子生物学をミャンマーの水産分野で実践する:DNAを用いた魚種鑑定」と題し、今後の同国水産業を科学的な立場から支えることのできる若手研究者の持続的な育成に貢献することを目的としています。

 一般に魚類の種判別はその形態的特徴を指標として行われますが、DNAの塩基配列を使用すれば、切り身となった状態でも、その種を判別することが可能となります。同国の水産系の大学や機関でDNAの配列解析を実際に学ぶ機会はまだまだないようであり、この技術を参加者が学ぶことは、同国水産物の資源管理やその流通を科学的立場から支えることにもつながります。このような目的のため、本コースでは、東京海洋大学との交流協定を有する同国の組織から、生物系の教員、研究者、大学院生を招へいし、東京海洋大学の教育研究現場にて共同研究活動を行いました。

マイクロピペットの容量を確認している様子

 期間中、参加者は、実際にマグロの肉からDNAを抽出し、魚種判別のための標的遺伝子をPCRにて増幅しました。増幅は電気泳動で確認しました。次に増幅された遺伝子は制限酵素で切断し、そのパターンからマグロの種判別を行いました。また、DNAシーケンサーにてそれら遺伝子の塩基配列の解読を実際に行い、データベースとの照合も行いました。

PCR産物の電気泳動で確認
電気泳動の結果撮影

 また、東京海洋大学には複数の練習船を保有しているという特徴があります。そこで、参加者は、期間中に東京海洋大学品川キャンパスの係船場にある青鷹丸(170トン)と東京港の豊海水産ふ頭に停泊中の海鷹丸(1,886トン)を訪れ、船内や設備を見学し、さらにレクチャーなどを受けました。ふ頭には神鷹丸(986トン)、汐路丸(425トン)も停泊しており、参加者は他の2隻の本学練習船も見ることができました。ミャンマーの水産系の組織にこのような大型練習船はないので、参加者にとって初めての体験となりました。

海鷹丸のブリッジにて海図を見る
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