2019年度 活動レポート 第245号:熊本大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第245号

機能性ナノハイブリッドに関する国際ユースワークショップ

熊本大学大学院自然科学教育部
材料・応用化学専攻 超分子化学ラボからの報告

本科学技術体験国際交流では、化学分野、特に超分子化学に関する先端研究の紹介と地域民間企業でのものづくり技術の見学、本学若手研究者・学生との科学技術に関する学術交流、科学体験を目的として、熊本大学超分子化学ラボにおいて2019年11月10日から11月16日の7日間にわたって国際交流プログラムを実施しました。

ダッカ大学(バングラデシュ人民共和国)から大学院生3名、ノアカーリ科学技術大学(バングラデシュ人民共和国)から大学院生4名、キルギス・トルコ・マナス大学(キルギス共和国)から教員2名、大学院生4名の計13名を招へいして実施した国際交流活動の様子をご紹介します。

阿蘇山にて

学術交流プログラム

学術交流プログラムでは、超分子化学、材料化学、光化学の分野で研究を行っている本学の教員による先端科学講義を行っていただくとともに、ダッカ大学、ノアカーリ科学技術大学、キルギス・トルコ・マナス大学の若手研究者による大学紹介、研究紹介を行っていただきました。熊本大学の大学院生、学部生も多数参加した講演会となり、熊本大学における学術研究の一端を知っていただくとともに、相互の若手研究者の学術交流を促進する良い機会となりました。さらに、ラボツアーを実施し、学内および研究室内の様々な合成装置、先端分析機器を見学していただきました。講義や装置説明を熱心に聴いている姿が印象強く、日本の科学技術への興味が溢れているように感じました。

熊本大学の教員による講義の様子

本学の大学院生、大学生を交えた英語でのグループディスカッションを企画し、双方の若手研究者、学生が自由に意見を述べ合う機会を設けました。異なる国の若手研究者との学術交流は、相互に大きな刺激となったのではないかと思います。日本人学生は慣れない英語でのコミュニケーションに苦戦していましたが、終盤には笑顔で話す様子も見られ、活気ある雰囲気でディスカッションをしていました。本学の学生にとっては、より専門的な英語運用能力の重要性を実感する機会になったのではないかと思います。

若手研究者・学生のグループディスカッション

体験プログラム

体験プログラムでは、熊本県内の公的研究機関や化学関連の民間企業の見学を行いました。県内の研究・開発拠点である熊本県産業技術センターを訪問、見学するとともに、同センターが中心となって熊本地域で推進されているJST地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。また、精密機械メーカー(プレシード(株))、飲料メーカー(サントリー(株)九州熊本工場)などを訪問し、日本の最先端技術やものづくりの現場を見学していただきました。丁寧な説明と質疑応答を通して、日本の科学技術について多くのことを学んでいただけたようです。

熊本県産業技術センターでの実験の様子

プログラムには、熊本市内や阿蘇エリアの国立公園など、熊本県内の名所を巡り、日本文化や日本食にも触れていただく機会を設けました。熊本の自然を存分に楽しんでいただき、文化や歴史に対する理解が深まることで、日本への関心が深まったようでした。

阿蘇高森田楽でのランチ

本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の教職員の皆様ならびに国際交流に積極的に参加してもらった本学の若手研究者、大学院生に感謝いたします。また、多大なご支援をいただきました「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。