2019年度 活動レポート 第217号:長岡工業高等専門学校

2019年度活動レポート(一般公募コース)第217号

アドテック・マラッカ校と長岡高専との実践的ものづくり交流と先端技術視察

長岡工業高等専門学校からの報告

2019年10月6日(日)~2019年10月11日(日)の8日間、マレーシア国のアドテック・マラッカ校から10名の学生を長岡高専に招へいして本研修プログラムを実施しました。本プログラムは本校の学生と一緒に行った「ものづくり交流研修」と「日本文化と最先端技術の視察」により構成されています。

校長表敬

ものづくり交流研修は、エンジニアを目指す日本とマレーシアの同世代の若者に対して交流の場を提供し、両国の学生の科学技術に対する理解を深めさせることを主目的としています。そのための課題解決型学習として、日本の少子高齢化による労働の担い手不足を解決する方策の一つとして期待されている建設分野のICT施工に関する新しい技術を学びました。

ものづくり交流の様子

具体的には、日本人とマレーシア人の混成チームを作り、各チームを建設会社と見立てて、LEGO Mindstormsを用いてICT機能を有するミニチュアブルドーザを作製し、ミニチュア建設現場において会社の利益を最大にすることを目指す施工競技会を行いました。今回、土工現場を想定して、土砂を指定した場所に運搬するために距離センサー、ジャイロセンサー、カラーセンサーなどのセンサー技術を駆使しました。コントローラを使ったブルドーザの操縦は人件費を多く必要とするために結果として利益が小さくなるように設定しました。また、不測の事態にも対応した施工を想定し、チーム毎に異なる障害物を設置して様々な状況に応じた汎用性のあるICT機能を求めました。

ものづくり交流競技会の様子

ICT施工の理解を深めるために国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所様のご協力のもとに工事予定現場においてドローンのデモ飛行と撮影された画像からの点群データの生成方法とその利用方法、最新のICT機能を有するバックフォーの操作体験を行いました。あらかじめバックフォーに施工情報を入力しておくことで、誤った操作を防ぐことができます。

ICT機能を有するバックフォーの体験

日本の伝統的な文化体験として本校にて茶道を体験し、新潟県立歴史博物館においてはマレーシアで経験することができない豪雪地域ならではの展示や縄文時代からの日本文化について、新潟県の歴史を中心として学びました。さらに、東京スカイツリーにて最新の建築技術について理解を深めました。

本プログラム後半では、台風19号による影響で東京での視察予定の多くがキャンセルになっただけでなく、出国予定日のフライトもキャンセルになりました。しかしながら、その間、さまざまな交通機関を利用しての移動の経験、初めての猛烈な台風の経験、地震の経験などマレーシアではなかなか経験できない事を経験することができました。予定外のことが発生した中でも、マレーシアの人たちは南国特有の陽気さで出来事を楽しんでいました。

さよなら会時のマレーシアの伝統ダンスの披露の様子