活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第202号

インドネシア・台湾の学生がマリンバイオロジーについて学ぶ

広島大学からの報告

 2019年度さくらサイエンスプラン一般公募コースに採択されたプログラム「マリンバイオロジーコース」を、2019年10月1日〜7日の7日間、広島大学大学院統合生命科学研究科附属臨海実験所にて実施しました。

 送り出し機関は全て、日本国と同様の海洋に囲まれた島嶼国家で、インドネシア共和国の4大学、国立イスラム大学マラン校(引率教員1名ならびに学部生6名)、同アラウディン・マッカサル校(引率教員1名ならびに学部生2名)、同スラバヤ校(学部生1名)、同トゥルンガグン校(学部生1名)、台湾の1大学、国立中興大学(引率教員1名ならびに大学院生2名)の計5大学でした。

 国立イスラム大学アラウディン・マッカサル校の3名は、インドネシア国内での飛行機の遅延により、日本到着が一日遅れるという不測の事態に見舞われましたが、2日目以降無事に参加することができました。

2日目集合写真
<10月2日>

 オリエンテーションならびに海洋生物の分類・系統に関して、臨海実験所前の砂浜でプランクトン採集を行い、採集した生物を顕微鏡下で観察し、スケッチや種の同定を行いました。それらに合わせて、生物の分類・進化に関する講義を実施しました。

プランクトン採集
<10月3日>

 海洋生物の発生・進化に関して、脊索動物門尾索動物亜門の一種カタユウレイボヤの採卵・放精と人工授精による正常発生の観察を行いました。その中で、我々ヒトを含む新口動物の発生や進化に関する講義を行いました。また、当臨海実験所の主要な研究材料であるギボシムシやナメクジウオ、ナイカイムチョウウズムシなどの珍しい動物の成体観察も行いました。

ホヤの発生実験
<10月4日>

 日本文化体験の機会を得て、新幹線で広島市内へ向かい、原爆ドームや平和記念資料館などを視察し、世界平和へ向けて貴重な文化体験を得る機会をもちました。また、ユネスコ世界遺産である宮島まで足を延ばし、厳島神社を拝観しました。残念ながら厳島神社の鳥居は工事中で見ることができませんでした。

原爆ドーム前にて
<10月5日>

 海洋生物の生理に関して、ホヤの一種スジキレボヤの体内における希少金属(バナジウム)濃度を、原子吸光分光光度計で測定するとともに、ホヤにおける金属濃縮機構に関する講義を行いました。また、夜には発光動物ウミホタルの採集と観察を行いました。

バナジウム計算
<10月6日>

 午前中に引率教員を含めた全員に、このコースで学んだまとめを行ってもらい、午後に一人ずつ発表をしてもらいました。予定時間を超える熱い発表となり、送別会の会場へ移動した後も、数人の発表が続きました。

 今回は日本を含めて、インドネシア、台湾と3カ国の教員、学生による異文化交流プログラムの実施となりましたが、異国の文化をそれぞれ尊重しながら、あっという間の7日間でした。特に印象的だったのは、引率教員を含めて全員が日本に対して興味津々であり、日本に来ることが夢だったという学生がほとんどだったことです。

 本事業を通じて、海洋生物学に対する強い興味を駆り立てるとともに、広島大学への興味、つまり大学院生として戻ってきたいという強い志を得ることができました。本事業のインドネシアで開催される第1回さくらサイエンスクラブ同窓会(2019年12月11日開催)には、遙々ジャカルタまで昨年・本年の招へい者がボランティアとして多数参加する運びとなったことを是非伝えたいと思います。このように、本事業がアジア諸国の若者に対してどれだけの影響力があるものか、また重要であるか、この場をお借りして申し上げます。

pagetop