活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第169号

昆虫ウイルスの研究および応用に関する日中共同研究プログラム

東京農工大学農学研究院
仲井 まどか さんからの報告

 「さくらサイエンスプラン」により、令和1年10月25日から11月2日まで中華人民共和国湖南農業大学黄国华先生、華中農業大学万虎先生、何顺先生、湖南農業大学の大学院生5人をお迎えしました。

 これまで湖南農業大学と東京農工大学は、昆虫由来の二本鎖DNAウイルスであるアスコウイルスについて共同研究を行ってきました。中国と日本で分離されたアスコウイルスは、地理的に近いことも起因して両者のゲノム構成は非常に近縁ですが、生態学的な環境が異るためウイルスの媒介者や宿主との関係が大きく異なることが分かっています。しかし、このようなアスコウイルスの比較生態学に着目した研究は行われておらず、両国の農業生態系においてアスコウイルスが害虫の天敵として果たす役割を明らかにすることはウイルス生態学及び応用昆虫学の発展に大きく貢献することが期待されます。

 本事業を通じて、日中両国の学生および教員が交流することにより今後の共同研究が一層発展することを目的にしています。

多摩動物公園にて参加者全員で記念撮影
<10月25日>

 千葉県を襲った集中豪雨のために午後1時に成田空港に到着後、移動に長時間を要してしまいました。東京農工大学のある府中市に到着したのが午後10時でした。大変お疲れ様でした。

<10月26日−27日>

 翌日は、打って変わって快晴でした。土曜日に多摩動物公園にある昆虫館を、日曜日に国立科学博物館を訪問しました。多摩動物公園では、昆虫館で実際に昆虫の飼育施設を見学させてもらいました。多摩動物園も国立科学博物館も東京農工大学の応用遺伝生態学研究室の学生と一緒に見学し、さっそく交流が始まりました。

多摩動物園 昆虫館を見学しました。
<10月28日>

 月曜日から東京農工大学での活動を開始しました。午前中は、湖南農業大学の黄国华先生と何順先生により中国の農業技術についての特別講義をしていただきました。午後は、ワークショップについての研究打ち合わせを行いました。

東京農工大学研究室での実験準備の様子
<10月29日−31日>

 アスコウイルスの定量方法についてワークショップを開催しました。湖南農業大学で独自に開発したアスコウイルスの定量方法を実際に日本のアスコウイルスを用いてデモンストレーションしました。また、アスコウイルスの分離株の接種実験を東京農工大学で飼育している幼虫を用いて行いました。その他に、応用遺伝生態学研究室で行なっている通常の研究室のセミナーにも参加していただきました。空き時間には、ミニセミナーを行い、サンパウロ州立大学からの短期留学生や受け入れ研究者が現在行なっている研究内容について講演しました。

昆虫の飼育方法のデモンストレーションをしました。
<11月1日>

 国際シンポジウム「昆虫ウイルス研究の最前線」を東京農工大学の学内で開催しました。午前10時30分から午後5時30分までの長丁場でしたが、学生教員ふくめて15人が発表しました。東京農工大学の学生以外にも、東京大学の勝間進准教授のグループにご参加いただき発表して頂きました。発表の後には、交流会を開催しました。

国際シンポジウムで発表する参加者
<11月2日>

 帰国日には、東京駅皇居周辺を散策し、午後9時発の便で帰路に着かれました。

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