2019年度 活動レポート 第141号:長岡技術科学大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第141号

トラニオン摩耗現象を抑止するための接触材の組合せ効果に関するその場観察実験

長岡技術科学大学からの報告

長岡技術科学大学では、インド工業大学マドラス校より2名を招へいし、2019年8月19日から8月23日の間に共同研究を実施し、フレッティング摩耗に関する材料のその場観察試験及び分析をしました。

具体的には、フレッティング摩耗を受けたサンプルの摩耗領域の分析、および劣化に関する損傷部の組成分析を実施しました。また、放射線発生装置としての加速器の管理区域に立ち入る前に、安全規制とリスク評価について講義で学習しました。特にリスクアセスメント手法においては、想定される誤使用についてもどのようにリスク対策を行うのかを事前に検討し、放射線安全規制における規制値と、放射線発生装置の起動時・停止時の放射線量を実測することで作業時間制限を算出し、規制上の上限値と現状の間に十分な余裕があることを学習し、安全性を評価する方法を体験しました。

質疑応答の様子

さらに、光学顕微鏡、SEM / EDS観察、ビッカース硬度を使用して、摩耗部の損傷形態の特徴分析を実施しました。そして、加速器を用いた元素分析結果との比較と議論を行いました。

加速器を用いた材料分析
放射線測定の実習

最終日には結果報告のプレゼンが行われ、フレッティング摩耗の評価手法について、活発な討論が行われました。

最終発表会の様子

滞在期間中には、共同研究活動のみならず日本人学生や本学留学生との交流も積極的に行われました。学生との交流会では、お互いの興味や文化など様々な点について英語での会話でコミュニケーションをとっており、日本人学生にとっても大変良い刺激となりました。そして,本学インド人学生とも課外時間に多くの交流の機会を設け、日本留学体験などについて活発な意見交換が行われたそうです。

修了式での集合写真

学習期間は5日間と短期間ではありましたが、濃密な実験と討論が行われ、参加者は大変満足しているようでした。帰国後の共同研究活動についても打ち合わせが行われ、今後も共同研究を進めていくため交流をより活発にしたいとの思いがより強くなりました。