活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第120号

タイ・日本の高校生による国際共同課題研究 ~新たなモデルケースを目指して~

立命館慶祥高等学校からの報告

 慶祥高校と2年前より連携し、ともに国際共同課題研究プログラムを作り上げてきたタイのプリンセス・チュラポーン・サイエンス・ハイスクール・パトゥムターニー校(PCSHSP)との交流が今年も始まりました。

 今年度のプログラムには慶祥のみならず、札幌開成・札幌南・札幌藻岩・ICU高校からの賛同があり、5校・15人の日本人生徒が参集しました。一方、タイ側でも、複数合同というスタイルに触発され、PCSHSPに加えてテープシリン・パトゥムターニー高校が合同で参加しています。参加生徒達は夏頃からLINEで連絡を取り合い、それぞれが興味を持つ研究テーマを提案し合いながら、5つの研究グループを決め、中身のディスカッションを進めてきました。

<1~2日目>

 東京での研修となり、東京大学大学院総合文化研究科での研修、ICU高校のメンバーとともに本郷キャンパスの見学などを実施した他、これからの科学技術の“ミライ”を考える日本科学未来館で大いに刺激を受けてきました。

東京大学研修にて
<3~5日目>

 札幌に活動場所を移し、様々な学びが目白押しです。本プログラムのメインである共同課題研究がいよいよ本格的に進み、各グループとも中間発表までを目指してのデータの収集や、今後の展望のディスカッションに没頭しました。(なお、最終発表は翌年2月のタイ訪問プログラムにて行います)

 今回揃った研究テーマは、以下の5つです。

  • Comparison of Properties between Thai and Japan Nepenthes
  • The Study of Burned Scallop Shell Properties to Cure the Mosquito Bite in Human
  • CEFR Word Games
  • Medical Hydrogel
  • Study of Sound Quality from Bamboo Instrument
共同研究活動
実験機器について勉強中

 研究活動の他にも、長沼中央農業試験場で農薬や品種改良についての講義を受けました。特に植物関係の研究を進める生徒達に刺激になったことでしょう。また、タイのPump先生・Chutharat先生を中心とした特別授業、慶祥のMatthew先生による「Seismic Excitement(地震・揺れと構造設計)」の講義など、参加校それぞれの教諭陣から充実したレクチャーが用意されました。Matthew先生は慶祥の英語の先生ですが、実はカナダで橋やダムの設計をしていたという筋金入りのエンジニア!地震の被害を抑えるためのビルの設計などについて、パスタとマシュマロのモデルを使いながら学びました。

Matthew先生による特別授業
<6~7日目>

 北海道大学における研修、そして共同研究の中間発表と続きます。北海道大学では、晴れ空の下、広大なキャンパスを散策し、総合博物館で貴重な資料や最先端の研究展示に目を輝かせました。そして、充実の体制で迎えてくださった低温科学研究所では、氷河と海氷についての講義と、低温科学の意義について説明を聞き、この研究がいかにダイナミックで地球規模の学問であるかを知りました。さすが理数の基礎がしっかりしている生徒たちだけあって、講師の先生の問いかけにもしっかり考えて答えていました。

 南極やグリーンランドでの氷河観測の装備の紹介、-15度、そして-50度の冷凍室で保存されている南極の氷を目の前で見るなど、初めてだらけの体験だったことでしょう。普段の課題研究で、その研究がどのように役立つか・また応用できるかということを重視しているタイ生徒たちの目には、地球上の真水の分布や球温暖化の問題などに直結する本研究所の取り組みは興味深く新鮮に映ったに違いありません。

北海道大学低温科学研究所での研修
<最終日>

 息つく間もなく各研究グループの発表に向けて、さらなるデータ収集とプレゼンテーションの準備です。各グループの発表後には先生方からの掘り下げた質問が飛び交い、生徒からの疑問提起やディスカッションも続きました。このプログラムで身につけたいスキルの第一はここです。「英語で、サイエンスについて、研究についてディスカッションする」力を磨くことで、皆さんの活躍の舞台はグローバルなものとなります。

 今回の出会いによって、慶祥のサイエンス教育はさらに大きな可能性を広げ、また生徒たちの豊かな人生へと大きく寄与することができます。これからもこの関係を大切にしていきたいと思います。受入プログラムとしては終了しましたが、プロジェクトとしてはまだ半分です。今回出来上がったいいチームで後半戦もよく学び、よく楽しんでほしいと思います。

pagetop