2019年度 活動レポート 第113号:岡山大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第113号

次世代医療を拓く"Theranostics技術"の開発・協同研究拠点の視察プログラム

岡山大学からの報告

今回の活動は、おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC、運営は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター)を中核拠点とし、革新的医療技術(Theranostics;治療(Therapy)と診断(Diagnostics)を画期的に実施する新しい医療技術)の社会実装を目指した複数の共同研究機関の協力の下で行われました。

岡山大学OMIC分子イメージングセンター見学にて

研究代表者(PI)松浦が担当し、岡山大学、京都大学の教育・研究現場、および世界トップレベルの企業-島津製作所の見学を通じて、同大学に在籍する大学院生との高等教育における交流を深め、学術・教育面での友好関係を構築し、国際的なネットワーク作り、二国間の複数大学における“国際的な視野に立脚した教育・研究の同時啓発”に努めました。

松浦教授による分子イメージング技術および機器の紹介

今回の招へい者10人のうち、基礎医学研究を行っている学生5人、臨床(循環器内科)従事者2人、生物学研究を行っている学生3人、全員が日本の科学技術の発展に大変興味を示しました。今回の来日で、岡山大学大学院自然科学研究科、環境生命科学研究科、ヘルスシステム統合科学研究科、医歯薬学総合研究科、および大学附属病院治験施設、京都大学工学研究科、島津製作所などの見学プログラム全般を通じて、日本の科学技術と医療の発展を目にし、大学、企業での研究が臨床応用へ直接結び付く素晴らしさに最も関心を示しました。

岡山大学大学院自然科学研究科(理)で異分野サイエンスを体験

自費引率者として来日した2人(松浦研究室の卒業生ら)の教員もこのような異分野の見学は初めてであり、世界中で異分野融合研究が盛んに行われる中、日本の研究者の研究への鋭い着目点と探求精神と熱情に感動を受けていました。2人は帰国後の勤務を経ての再来日であるため、基礎研究を確実に臨床応用へ繋げる大変さを理解しており、日本の科学研究の素晴らしさに改めて感動を受けていました。また、ぜひより多くの学生を日本へ留学させたいと希望していました。

島津製作所本社工場見学(創業時の機器発明から現在の最先端機器までを学ぶ)

今回の見学プログラムにご協力いただいた先生方々の研究に対する情熱と探求精神は、これから研究に従事しようとする学生達に多大な励ましとなり、彼らの心を動かしてくれました。日本の伝統文化や歴史を説明することで、日本社会への理解も深まりました。彼らは、日本の町、社会的な秩序、ゴミ分類、販売店員の丁寧な対応、マナーなど、日本の良い部分を多く目にし、大変敬意を示していました。大部分の学生が機会があれば次回は留学生としての来日を希望しており、研究員としての来日を希望している学生もいました。

日本の漫画が大好きな隊長、来年日本への留学希望
-日本文化・歴史見学(京都清水寺帰りに)

大連大学、吉林大学、遵義医科大学、計10名の来日大学院生のうち、遵義医科大学から2人の学生が来年度の博士課程への進学を目指して英語と日本語能力検定試験の受験勉強中であるとの連絡を受けています。また、指導教員2名(当該事業の随行員;自己負担招聘者、かつて、松浦の研究室で学位研究をしており、現在も精力的に協同研究体制を維持している)との今後の共同研究体制への強化が捗りました。