活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第110号

機械工学,情報電子工学分野に於ける日本の先端的研究の実験演習プログラム

帝京大学宇都宮キャンパスからの報告

 2019年9月30日(月) ~10月6日(日)ベトナム(Nguyen Tat Thanh大学、ホーチミン市技術師範大学、ホーチミン市工科大学)から学生・教員合わせて14名を招へいし、近藤研究室、森研究室の2研究室に分かれて科学技術交流プログラムを実施しました。

理工学部・情報電子工学科 准教授・近藤直樹

 近藤研究室では、日本国内で開発されている、分子やナノ構造物質の光物性を計算するための時間依存密度汎関数法計算プログラムSalmonでの小規模計算とデータ可視化、および物性理論の基礎に関する演習を行いました。

<9月30日>

 ベトナム側ご一行が4限後に研究室にいらっしゃったので、ご挨拶。

<10月1日>

 実習開始。午前中は最初にSALMONの概要の紹介、計算の基本原理であるHohenberg-Kohnの定理およびKohn-Sham仮説の説明を行い、1回目の演習(Hohenberg-Kohnの定理の証明など)を行いました。午後からはSAMONでの計算にとりかかり、最初に計算機環境とSA+MONの使用法を一通り指導した後、実際にC2H2 分子の基底状態の計算と電荷密度の可視化などを行ってもらいました。

実習中の様子1
<10月2日>

 実習2日目。最初に時間のかかるC2H2分子、固体シリコン、シリコンナノ薄膜の光電場下の時間発展計算を各人に開始しておいてもらい、計算中は時間依存密度汎関数法と固体物性基礎の講義を行いまいした。午後は2回目の演習(電磁場のゲージ変換と簡易な固体バンド計算など)を行った後、走らせておいた計算結果の確認などを行いました。

実習中の様子2
<10月3日>

 三菱ふそうおよび日光見学

<10月4日>

 プレゼン準備。事前作成したプレゼン資料のテンプレートを渡し、各自で分担パートを決めて作業にとりかかるよう指示、適宜質問に答えました。発表練習の後、15:00から大学院棟201室で発表会を実施しました。

 引率教員の先生とのお話の中で、ベトナムでの自動車の排ガス問題と触媒開発のニーズについて、いろいろ有意義な情報をいただきました。担当した学生のうち課題意識がもっとも高いと感じられた学生は、複数の海外短期留学プログラムを経験した結果、シンガポールの大学への進学をグローバル化対応の面から一番に考えている旨正直に述べており、興味深く感じました。私見ですが、海外大学とグローバル化対応で競争するのは難しいのですが、先方の社会的ニーズにマッチする研究の指導や共同研究ができるか、研究分野に対応する産業が国内にあるかどうか等に別の攻めどころが(まだ)あるかといったヒントを得ました。

理工学部機械・精密システム工学科 教授森一俊
<9月30日>

 森研究室を訪れたベトナム3大学からの学生11名と教員3名は、長旅の疲れも見せず、ベトナム出身で帝京大学の大学院に入学、森研究室で研究推進中の留学生による森研究室での活動内容説明に聞き入り、熱心にメモを取る姿が印象的でした。

<10月1日>

 森研究室で研究体験を行う3大学の学生8名が、森研究室での活動を開始、ベトナムから留学して居る大学院1年生のの指導で、エンジンベンチでのエンジン性能試験やナノ粒子採取などの研究活動を遂行し、初めて触れるディーゼルエンジンを運転制御する制御装置や後処理装置、および採取したナノ粒子に興味津々でした。

エンジン始動
<10月2日>

 採取したナノ粒子を電子顕微鏡を用い、凝集状態やナノ粒子の大きさを観察し大喜びでした。この体験で、森研究室で将来、研究を続けたい!との希望を語る学生さん達が居て嬉しかったです。

電子顕微鏡でナノ粒子観察中
<10月3日>

 情報電子工学科の近藤研究室で研究中の招へい者も一緒に、三菱ふそうトラック・バス(株)の喜連川研究所を訪問しました。第5レーンを、ドライバーがハンズフリー状態のまま車体を傾けながら、140km/hで走行する観光バスに乗車した彼らは、初体験に大歓声!拍手!でした。雪道を模擬した低μ路で、アンチロックブレーキシステム有無の差も体験しました。無で大きく傾き半回転して止まる観光バスが、有では真っ直ぐに安定して停車する技術を体験し大喜びでした。エンジン棟では、エンジン運転設備を案内して下さり、現在ベトナムは排出ガス規制がEuroⅣで、大気汚染が酷いが、将来来るEuroⅥの規制対応で必要な後処理装置を含む多くエンジン技術と計測技術に触れ、多数の学生が興味を持ってくれました。

 技術者とのQ&Aも設定下さり、学生のみならず教員からも、開発の進め方や大気汚染と温暖化およびトラックバスの電動化等に関する沢山の質問が飛び、予定時間が足り無くなる程でした。記念写真を撮り、想い出に残る企業見学でした。午後は日光東照宮を拝観しました。

三菱ふそう技術者とのQ&Aの様子
<10月4日>

 朝から、一生懸命に発表会のためのスライドを準備しつつ、発表練習を熟し、15:00からの発表会に臨みました。森研究室で研究体験したチームが先発、近藤研究室のチームが最後でしたが、今回の試みは、3大学の学生さん達を、3チームに分けて、お互いの交流も図ろうとした点です。とても良い成果に繋がり、普段は同じ大学のメンバーで固まりますが、今回は違う大学のメンバーとの交流が進み良い雰囲気でした。その効果も有ってか、発表はメンバーの個性を出しつつチームとして纏まり、Q&Aも上手に熟し、とても素敵な発表会となりました。修了証書とバッチを渡した彼らには満面の笑みが浮かんでました。

 夕方から開催された、送別会は、各研究室の日本人メンバーも参集、大いに盛り上がりました。来日した学生・教員の全員から「日本は素晴らしい!また来たい!留学したい!また逢いましょう!」と言うポジティブなコメントやメッセージを貰い、関係者の方々の苦労が報われたと思います。

発表会参加者全員での記念のフォト
<10月5日>

 新幹線で上京し、東京駅に荷物を預け、短い時間でしたが未来科学館を興味深く見学、昼食後に浅草と秋葉原を視察しました。

 たった1週間だった出逢いでしたが、研究体験のみならずTAや日本人学生および一般の日本人の温かさ、新旧の文化に触れ、密度の濃い時間を過ごした彼らは、想い出ではち切れそうな気持で、関係者の我々とハグし握手し---セキュリティチェックゲートを通って行きました。満面に笑みをたたえ手を振りながら・・・。

「See You Again!また逢おうね!?」

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