2019年度 活動レポート 第91号:島根大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第091号

インド・NITメガラヤ校の学生が酸化亜鉛ナノ粒子の材料特性と応用に関する研究を実施

島根大学からの報告

2019年6月24日から7月13日の間、さくらサイエンスプログラム(共同研究活動コース)により、インド・National Institute of Technology (NIT) Meghalaya校の大学院生4名と教員1名が島根大学総合理工学部に滞在しました(実施担当者:藤田恭久教授)。引率教員のDr. Kasilingam SenthilkumarはNITメガラヤ校の物理学科長で、藤田教授のもとで学位を取得した島根大学の卒業生でもあります。NIT Meghalayaは新しい大学であり、設備の整った島根大学を訪問し、学生の研究交流を含めた新たな共同研究を展開することにより、建設中の新キャンパスにおける研究立ち上げの参考とするために今回のプログラムが実現しました。

研究室の学生と

本プラグラムにおいてでは、NIT Meghalayaの4名の大学院生が参加しました。内容としては、藤田教授の研究室で開発したユニークな技術である窒素添加酸化亜鉛ナノ粒子について、ナノ粒子の合成から蛍光分光やラマン分光法などによる評価技術、応用である酸化亜鉛ナノ粒子塗布型発光ダイオードの作製まで島根大学の学生が説明し、NIT Meghalayaの学生に実際の実験を体験してもらいました。

島根大生がラマン分光装置を説明

また、同じ研究室の吉田俊之講師が薄膜トランジスタに関する応用、藤田教授が2018年に起業した大学発ベンチャー企業の株式会社S-Nanotech Co-CreationのLin Jie研究員が酸化亜鉛ナノ粒子の非線形光学効果について指導を行いました。更に,藤田教授がセンター長を務める島根大学ナノテクプロジェクトセンターが開催したオープンセミナーに参加し、基礎研究から技術の実用化、ビジネススキルなどについて活発な議論を行いました。

研究室のゼミで研究の進捗を報告

休日は、学生交流も兼ねて、松江城、安来市の和鋼博物館を訪問しての「たたら製鉄」の学習、出雲大社、広島市などを訪問し、日本の文化・伝統技術、自然の理解を深めるとともに学生同士の絆をつくりました。

安来市和鋼博物館を見学

これらの体験を元に、各学生が島根大学の学生のサポートを受けて自由研究を行い、最終日には成果発表会を行いました。発表会では、島根大学の学生が各学生の発表に関して自主的に質問して議論を行うなど、学生同士の自然な交流ができるようになりました。藤田教授からさくらサイエンスプログラムの修了証とバッジが贈呈されました。

酸化亜鉛ナノ粒子デバイスを作製する自由研究

本プログラムを通して、島根大学とNIT Meghalayaの共同研究がさらに進展し、学生間の充実した交流ができました。来年度には交流に参加した島根大学の学生がNIT Meghalayaへの短期留学を希望しており、新たな応用研究のテーマが生まれるなど両校の研究交流や人材交流の継続的発展につながる成果を上げることができました。