2019年度 活動レポート 第46号:総合地球環境学研究所

2019年度活動レポート(一般公募コース)第046号

バンドン工科大学の学生が持続可能なエネルギー資源の現状と課題を学ぶ

総合地球環境学研究所からの報告

大学共同利用法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所(以下、地球研)では、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インドネシア・バンドン工科大学の大学生10名及び研究者1名を招へいし、令和元年7月22日から7月28日までの7日間の交流プログラムを実施しました。

バンドン工科大学の創立は1920年に遡ります。1959年、現在のバンドン工科大学が高度な科学・技術・芸術分野の教育機関としてインドネシア政府によって設立されました。今日、インドネシアにおける最も優れた理工系大学と評価されています。今年度は、地球科学部からの学生らが本プログラムに参加しました。

本プログラムでは、持続可能なエネルギー資源の現状と課題を学び、また、本研究所が有する持続可能な社会構築のための知識・視点を考えることを目的としました。

7月22日

深夜便にてクアラルンプールから関西国際空港へ早朝に到着、その足で地球研に到着した一行は、実施担当者・榊原正幸教授より、実施内容の説明、受入れプロジェクトの紹介、滞在期間中の予定や注意事項などについて、オリエンテーションを受けました。また午後には、安成哲三所長を表敬訪問し、招へいに関する謝辞、期間中の抱負などについて歓談を行いました。

安成哲三所長への表敬訪問

7月23日~24日

榊原教授から「持続可能な開発と科学技術イノベーション」に関する講義、榊原プロジェクト研究員・匡 暁旭氏から環境化学分析技術の実習を受けました。また、地球研で現在実施されている9つのプロジェクト・プログラムを訪問し、持続可能な社会構築のための知識・視点について、研究者とともに白熱した議論を展開しました。

匡 暁旭研究員による環境化学分析技術の実習

7月25日

関西電力PR館エル・マールまいづるを訪問し、日本における水力・火力・原子力発電所等の最先端の科学技術について、学修しました。

関西電力PR館エル・マールまいづるを訪問、隣接の舞鶴親海公園にて

7月26日

地球研では「地球研オープンハウス」と題し、毎年7月末に市民に向けて所内を一般公開し、研究活動を紹介、環境問題をより身近に感じてもらえるよう全所挙げてのイベントを実施しています。学生らの滞在期間がこれに重なったため、異文化交流の一環として、来場者にインドネシア伝統舞踊を披露しました。これまでのオープンハウスではこのような催しがなく、来場者からのアンケートならびに所員アンケートにおいて、高評価を頂くことができました。

また夕方に実施されたお疲れ様会では、学生らがインドネシア料理を所員へ振舞うなど、親交を深めることができました。

地球研オープンハウスでのインドネシア伝統舞踊の披露

7月27日

3つのグループに分かれプログラム成果発表会を行い、「持続可能なエネルギー資源の未来デザイン」について、発表を行いました。発表後には修了式を行い、プログラム修了証・記念バッチの授与を行いました。

プログラム修了式

地球研は市外地にあるため、食生活に不自由をするのではないかと心配していましたが、ゲストハウスに併設されたシェアキッチンで毎日料理を楽しんでいる様子を見、大変安心しました。また、滞在期間中の限られた自由時間には、伏見稲荷の千本鳥居、嵯峨野竹林や京都の台所と呼ばれる錦市場へ観光に出掛けるなど、夏の京都を思う存分満喫したようです。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、多大なご支援を頂くとともに、交流のきっかけを与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」に、深く感謝いたします。