活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第036号

ベトナムの学生が放射線・原子力に関する要素技術を学ぶ

長岡技術科学大学
末松 久幸さんからの報告

 将来ベトナムで期待されている医療用放射性同位元素製造等原子力に関するベトナム人学生と、関連技術輸出で関わる日本人学生両者の育成とネットワーク形成のため、ベトナム電力大学(EPU)の学生・職員を招へいし、長岡技大での放射線・原子力に関する要素技術の共同研究と企業での見学を行いました

 まず、本年3月21日に本学教員3名がEPUを訪問し、事前打ち合わせを行いました。同日ハノイで行われたさくらサイエンスクラブの報告会にEPU国際センター長ともども参加し、他機関での取り組みについて勉強いたしました。帰国後、本学極限エネルギー密度工学センターと原子力システム安全工学専攻に設置されている3台のパルス粒子加速器と2台の通常の加速器を用いた実験・計算に関する研究テーマを用意いたしました。

 これらのテーマに対しEPU中で希望を募り、成績優秀学生7名と教職員3名を選考して招へいしました。EPU国際センター長の指導による事前教育を行った後、来日し、プログラムに参加しました。

パルス大電力相対論的電子ビーム加速器(ETIGO-III)と参加者

 本学において、ガイダンス、安全講習を行った後、下記のテーマごとに各研究室で参加者が研究活動を実施しました。 1)核種・同位体分離(鈴木達也教授)
2)パルス電子ビームによる材料への照射実験(末松久幸教授)
3)静電加速器による組成分析(鈴木常生准教授)
4)原子炉に関する熱流動実験とシミュレーション(高瀬和之教授)
5)照射損傷の原子レベル解析(村上健太准教授)
6)加速器からの放射線の応用(江偉華教授)

ETIGO-IIIでの実験準備

 また、引率者は日本語教員でしたので、本学の留学生向け日本語講義を担当している教員と連携し、講義の視察と討論を行いました。本学のベトナム人学生・教員による日本での学生生活の講演を通して、日本留学を勧めました。

講義の様子

 休日には、東京電力ホールディングス株式会社のご厚意により、柏崎刈羽原子力発電所を見学させていただきました。特に、建家に入って原子炉やタービンなど普段簡単には立ち入れない場所から貴重な設備を直接視察でき、放射線や放射性物質取扱の実際を見聞する機会を提供できました。

柏崎刈羽原子力発電所見学

 さらに、空き時間には、懇親会での日本食、太鼓、ゴルフ、着物着付けなど、ベトナムでは行えない日本生活を参加者に体験してもらいました。

着物着付け

 最終日の発表会では、“貴重な経験が出来た”との感想を多くの参加者から聞くことできました。また、本学担当教員からは、優秀な学生であったとのコメントをもらい、EPU内での選考と事前教育が功を奏したと考えております。

 滞在期間中、体調を崩す者もなく、参加者全員元気に母国に帰国しました。

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