活動レポート

2019年度活動レポート(一般公募コース)第002号

機械工学、情報電子工学分野における日本の先端的研究の実験演習プログラム

帝京大学宇都宮キャンパスからの報告

 2019(令和元)年5月27日(月)~6月2日(日)までの7日間、さくらサイエンスプランによるプログラムを実施しました。参加したのはインドネシア共和国3大学(プレジデント大学、アトマジヤカトリック 大学、ダルマプルサダ大学)各大学学生3~4名、教員1名、合計で14名でした。宇都宮キャンパスの理工学部(機械・精密システム工学科・情報電子工学科)2学科にそれぞれの大学の学生が参加し、各指導教授の研究室に入りました。

 短時間ながら中身の濃い充実した研究が行われたため、参加学生の多くが本学での更なる研究を強く希望するなど、素晴らしい成果につながったことは特筆すべきことです。さくらサイエンスプランに改めて感謝すると共に、文部科学省、各企業及び日本国国民の皆様に感謝申し上げたいと思います。これから、本学においての研修の一端を報告させていただきます。 

帝京大学理工学部機械・精密システム工学科 教授 加藤 彰

 2019年5月28日から5月31日まで、インドネシア プレジデント大学の教員1名、学生4名を4日間の期間で受け入れ、研究題目「Study on fuel consumption ofautomobile using actual driving test」として、自動車の実路燃費に関する研究を実際の公道における試験の実施含めて行いました。期間中に自動車の燃費についての講義も行い、参加学生の自動車の燃費に関する技術に関して理解を深める一助としました。なお、研究成果に関しては最終日である5月31日午後の発表会にて20分間の研究発表を行い、活動を修了しました。

機械・精密システム工学科 講師 大野 威徳

 今回、インドネシア・ダルマプルサダ大学より留学生3名(および引率の教員1名)を招いて標記の事業を実施しました。主に、超精密正面旋盤を用いたアルミニウムディスクの鏡面切削を対象として、現在大野研究室で取り組んでいるアルゴンイオンビームによる単結晶ダイヤモンドバイトの再研磨(鋭利化)と、これによる切削特性への影響を観察してもらいました。

 10keV以下の低エネルギーのアルゴンイオンビームを摩耗した工具の切れ刃に長時間照射すると切れ刃を鋭利化させることができます。これは、イオンの衝突により物理的に除去される工具材料表層の除去レート(単位時間当たりの除去量)がイオンの表面への入射角に依存して変化することを利用し、摩耗により丸みを帯びた切れ刃の傾斜面を選択的に除去することで鋭利化を実現しています。この場合、摩耗部に対するビームの入射角を変更すると一定の角度を有するファセット(面取り部)が生成できるため、現在入射角と生成されるファセットの角度との関係を解明し、任意の角度を生成して特に脆性材料の切削におけるき裂を抑制させる工具の開発を目指しています。

 実験は、摩耗した工具と、これと同程度に摩耗しイオンビームにより鋭利化したものの2種を用いて切削試験を行い、刃先の鋭利化が表面性状や切削力などに与える影響を観察してもらいました。28日は、実験の概要を説明した後に正面旋盤による切削試験とレーザ顕微鏡による表面観察を行い、29日は大学院棟の走査型電子顕微鏡(SEM)による試験後の各工具の観察、最後にいままで測定したデータと事前に実施した有限要素法解析の結果をもとに、切削特性の低減や切れ刃の材料への切込み量を安定化させることなど、工具の鋭利化が切削特性を向上させるのに及ぼす影響について説明しました。

 使用した各装置について、参加者は初めて目にするものばかりだったそうで、熱心にこちらの説明を聞いてくれました。研究紹介という目的からすると、大変満足できる結果が得られたと受け止められます。インドネシアを含めた東南アジアについては、近年光学機器や医療機器関連の工場が設置されてきており、大学教育における精密加工分野の潜在的需要は高まってきていると思います。今後も、機会があればこの地域の留学生を積極的に受け入れていきたいと思います。

帝京大学理工学部情報電子工学科 准教授 小川 充洋

 Atma Jaya Catholic Universityより大学生4名、教員1名(合計4名)

<5月28日>
  • 計装アンプINA118を用いた心電計測回路の作成の指導を行いました。
  • 回路CAD「Fritzing」を用いた回路図の作成を行いました。また、ブレッドボード上への回路実装の検討を行いました。
  • その後、ブレッドボード上に回路の実装を開始しました。
<5月28日>
  • 前日に引き続き、計装アンプINA118を用いた心電計測回路の作成の指導を行いました。
  • ブレッドボードへの回路実装を完了しました。
  • 各学生は自身の心電図計測を、自身が実装した回路を用いて行いました。
  • 計測の結果から、「増幅度の調整」および「ノイズ除去のためのアナログフィルタ回路の追加と調整」を行いました。
  • 最終的に、全学生が自身が実装・調整した回路を用いて、心電波形を計測することができました。
<5月30日>
  • 成果発表のためのプレゼンテーションを作成しました。
  • 成果発表を行いました。

 最後にこのプラグラムに関係したすべての方々に謝意を申し上げると共に、日本とインドネシア両国の友好と技術発展の一助になれますように、また帝京大学は、世界の科学技術発展と世界平和の構築に寄与すべき大学として、更なる努力を重ねて参りたいと思っております。

ありがとう! Terima kasih!

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