活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第442号

フィリピン人看護学生の医療安全向上プログラム

名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻からの報告

 2019年3月4日から3月11日の日程で、フィリピン大学看護学部から学生4名と教員1名を招へいし、医療安全向上プログラムを実施しました。本プログラムでは、最新の医療機器や介護器具を活用し、日本の医療安全システムについて理解していただくことを目的としました。

 招へい者は病院や介護老人保健施設の見学をするため、来日前に感染症抗体価検査を受け、必要時にはワクチン接種する必要があり、フィリピンと日本の医療福祉施設における感染予防対策の違いを一番に実感したようでした。

 来日1日目は中部国際空港に19時頃到着後、ホテルまでの移動中に本プログラムのオリエンテーションを行いました。2日目の午前中は、医学系研究科保健学統括専攻長の寶珠山教授を表敬訪問後、竹原准教授の医療安全の講義を受講しました。午後からは、名古屋大学減災館と博物館を見学しました。

保健学専攻統括長の寶珠山教授を表敬訪問し、記念写真

 3日目と5日目は、国際医療機能評価「JCI認証」を取得した名古屋大学医学部附属病院を見学し、災害対策、個人認証システム、薬剤リスク管理、感染症対策、Rapid Response Systemについて学習を行いました。学生は点滴を準備する時の患者の個人認証について、看護師からの説明を真剣に聞いていました。

看護師から点滴準備時の患者の個人認証について説明を受ける

 黄色の注射器は点滴のルートに接続できない形状となっており、経管栄養のチューブにしか接続できないことを知った学生は、医療事故が起きないように科学技術でカバーしていることに大変驚いていました。また、使い捨てガウンとアイガードによる感染予防対策に感心をもち、実際に試着しました。

集中治療室にて使い捨てガウンとマスクに付くアイガードを試着

 4日目は、介護老人保健施設「太陽」において、介護器具や歩行補助器具などの医療福祉器具の安全な取り扱い方法を学習しました。学生は、転倒予防のための医療福祉器具の使用方法や注意点について看護師に質問していました。歩行補助器具の説明を受けながら、実際に体験もしました。

歩行補助器具を体験し、安全な使用方法を学ぶ

 6日目はフィリピン大学の看護学生が病院や介護施設で体験した内容に基づき、医療安全についての発表を行い、名古屋大学の学生や教員と討論をしました。本プログラムの修了式を行い、記念写真を撮りました。

 7日目は、名古屋市科学館を見学し、名古屋めしの味噌カツを楽しみました。

<フィリピン大学看護学生の感想の一部>

  • 大学病院では医療安全部が中心となり組織的に医療安全が管理され、素晴らしいと思った。
  • 日本では様々な技術を駆使し、患者や利用者の生活の質を高めており、フィリピンとの違いを感じた。今度は学生とではなく、フィリピンの医療安全を高める研究者として来日したい。
  • 介護老人保健施設「太陽」では、医療安全のために看護師、理学療法士、言語療法士などが協働し、利用者個人に対応した最高のケアを提供していた。ここで私は余生を送りたいと思った。
  • 日本で得た医療安全の学びをフィリピン大学だけでなく、フィリピンの国にとっても有益となるように、私は活かしたい。

 短期間でしたが、フィリピン大学と名古屋大学の看護学生や教員の交流も深まり、参加者全員にとり、有意義なプログラムとなりました。本プログラムを支援していただきました「さくらサイエンスプラン」に厚く御礼申し上げます。

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