2018年度 活動レポート 第419号:静岡大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第419号

ナノスケールで構造制御された新規エネルギー材料開発の探索的研究

静岡大学からの報告

平成31年1月20日から1月27日まで、中華人民共和国の福州大学 材料科学工程学院から引率教員1名、若手教員5名、大学生2名、大学院生3名を招へいしました。本学 静岡大学 工学部・総合科学技術研究工専攻と福州大学材料科学工程学院は、近く学術交流に関する協定を締結する予定です。また平成30年には、教員1名学生5名を招く学術交流を実施しており交流が活発に行われています。

今回の招へいの目的は、本学教員及び学生とナノスケールで構造制御された新規エネルギー材料開発の探索的研究を実施し、ナノ材料の開発と応用に関する共同研究に発展させ、これまでの交流をさらに推進することとしました。

合同セミナー後のグループ写真

1月20日

来日後、滞在ホテルにて簡単なオリエンテーションを行いました。

1月21日

静岡大学を紹介した後、国際連携推進機構、ライアン准教授より、静岡大学で実施するアジアブリッジプログラム紹介と教員学生の交流について紹介いただきました。昼食後、次世代ものづくり人材育成センターを創造教育部門、工作技術部門、地域連携部門にわかれ、田中教授、東教授、酒井准教授、岡本技術専門職員、早川邦夫教授より見学のアレンジ、紹介をいただきました。

その後、猪川研究室では、ナノデバイスの作製と特性評価について、石田研究室ではIV-VI族半導体超格子のレーザー発振特性評価について詳細にご説明いただき、高野研究室ではMOCVD装置を見学させていただきました。

半導体超格子のレーザー発振特性を測定しながら説明する石田教授

1月22日

符研究室にて低環境負荷新規機能性酸化物の研究を見学後、ほぼ終日のセミナーを開催しました。福州大学から11件の研究発表、静岡大学からは立岡研究室の他、早川泰弘・志村研究室、池田研究室、下村研究室からも研究員、学生の発表がありました。その後、キャンパス内にて交流会を持ちました。この日には、福州大学 光触媒研究所 特別招聘教授・国際顧問の安保教授にも参加いただきました。

合同セミナー風景

1月23日

午前中にはスズキ歴史館を見学し、製品開発の歴史と現在のクルマづくりの展示に大いに関心を持ちました。午後には浜松ホトニクス株式会社を見学しました。楊 海外統括部主任部員のアレンジにより原中央研究所長から挨拶の言葉と会社のご紹介をいただいた後、光技術に関する最新の研究成果を、開発ご担当の研究者から直接説明を聞くことが出来ました。

1月24日

午前中にはヤマハ発動機株式会社を訪問しました。企画・財務本部主査、本田様よりビデオを使って会社のご紹介をいただくとともに、コミュニケーションプラザの展示と実際に製品の流れているラインを間近で見学させていただきました。午後には楽器博物館を見学し、音楽の街、浜松の歴史、文化を楽器を通して感じる事ができました。

浜松ホトニクス株式会社見学。
原中央研究所長によるご挨拶と会社紹介

1月25日

高柳記念未来技術創造館を見学のあと、立岡研究室にてナノ材料作製実験、浜松キャンパス共同利用機器センターの見学と透過型電子顕微鏡観察実験を行い、夕方には村上教授、荻野准教授、国際連携推進機構 宮﨑特任准教授を訪問しました。

当研究室ではエネルギーデバイス・触媒への応用を目的としてSi系ナノシート束を作製しています。簡便にナノシート束を作製する実験と、その微細構造評価を透過型電子顕微鏡法により行いました。さらにパラジウム・酸化コバルトナノ粒子の微細構造評価も行いました。

透過型電子顕微鏡観察によるナノ構造体の微細構造評価を
熱心に見つめる学生たち

1月26日

休日を利用して近郊の観光地(龍潭寺、浜名湖、新居関所)を訪れ日本の歴史、文化に触れました。昼食後、松韻亭を散策し、お茶の由来や、作法などの説明を聞きながら美味しいお菓子お茶をいただきました。午後に天気が急変し浜松では珍しく雪が降り生まれて初めて見る雪に喜んでいました。

1月27日

早朝空港で見送るなか一行は帰国の途につかれました。

帰国前に行った招へい者へのアンケートでは、今回の招へい期間のどの経験をも非常に満足されており、再度来日したい、長期間の留学をしたいとの感想が寄せられました。また研究者、教授からは本学との交流を深めるためにもこのような交流事業を今後とも継続してほしいというご意見をいただきました。

今後、今回招へいした教員や学生と本学教員との間での共同研究を継続し、本学と福州大学との一層の国際交流の活性化が期待されます。