活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第409号

大線量および微少線量放射線の可視化体験プログラム

大阪府立大学研究推進機構からの報告

 2019年2月25日から3月2日、さくらサイエンスプランの支援のもと、研究推進機構の放射線研究センターが中心となって、ベトナム、ダラット大学(DLU)から学生6名と教員1名の受け入れを行いました。

早春の暖かさ中、南海堺駅に到着

<初日>

 招へい者一行は、乗り換え地のホーチミンの気候に合わせた比較的軽装で到着しました。幸いなことに、最高気温15度を超える暖かさで、招へい者からは「雪はないのか?」と尋ねられるほどでした。

 府立大学中百舌鳥キャンパスに移動し、国際交流担当課からの大学説明の後に、辻学長を表敬訪問しました。その後、放射線研究センターの環境計測研究施設を見学しました。同センターの伊藤助教から大陸からの黄砂に昔の原爆実験由来の放射性物質が含まれていること、非放射性の試料の分析にも放射線を利用しているとの説明を受けました。

<2日目>

 山手研究推進機構長を表敬訪問した後、古田教授から、放射線の初歩と放射線研究センターのあらましについての講義を受けました。午後からは秋吉准教授の指導のもと、非弱な自然放射線に関する基本的な放射線実習を行いました。大気中のラドン由来の放射性物質が室内のホコリに含まれており、半減期40分程度で消滅することを体験しました。また、サーベイメーターを用い、ベータ線とガンマ線のアルミ板による遮蔽の可否を調べ、高性能霧箱を用いてアルファ線のみならず、ベータ線やガンマ線の軌跡の可視化も実習しました。

高性能霧箱を使った演習

<3日目>

 午前中には宮丸教授から放射線遮蔽の講義を受け、昨日の実習でなぜガンマ線の遮蔽が出来なかったかを解説して頂きました。午後からは、谷口教授の指導のもと放射線研究センターの有する大線量コバルト60ガンマ線照射プールを見学の後、2つのグループに別れ、「水中放射線計測」「水中イメージング計測」「自然放射線の水による遮蔽」の3つのテーマを次々に体験しました。ガンマ線源からの神秘的なチェレンコフ光のイメージや、線源に近づくと急速に 増加する画像ノイズなど、本施設以外では目にできない現象を十分に堪能することができました。

水中放射線実験

<4日目>

 生憎の雨の中、電車を乗り継ぎ、京都大学宇治キャンパスを訪問しました。量子ビーム科学工学センターの土田准教授から加速器についての講義を受け、次いで年代も原理も異なる3つの加速器について見学しました。その後、エネルギー理工学研究者の岡田准教授に引率されヘリオトロンJ装置とその周辺機器を見学しました。招へい者の母校にはない、ビーム利用およびエネルギー源開発のための大規模な実験装置を目にして、熱心に質問を投げかけていました。

ペレトロン加速器見学

 宇治キャンパスのカフェテリアでの昼食の後、伏見稲荷および京都鉄道博物館を訪れました。京都の昔からの伝統と、明治以降の日本の発展の一端を紹介しましたが、あちこちで写真撮影に時間を取られ、もう少しゆっくりとしたスケジュールとすべきであったと反省しています。

<5日目>

 午前中に、量子放射線系専攻の学生が実際に行っている、基礎的な研究を見てもらい、午後から招へい学生によるプレゼンテーションを行いました。最後に、すべてのさくらサイエンスプラン招へい者への修了証書の授与を行い、さくらサイエンスクラブへの入会を歓迎しました。

<6日目>

 天候も回復し、招へい者一行は研修の疲れも見せず帰国の途につきました。

修了式の笑顔

 本事業の実現に当たって学内外の様々な人々の支援をいただきました。京都大学の量子ビーム科学工学センターおよびエネルギー理工学研究所の皆様には貴重な見学の機会を与えていただき、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。

 本事業を通してダラット大学、大阪府立大学双方の学生が活発に交流を一層活発にする貴重な機会が得られたと考えます。最後にこの実りある交流の機会を与えていただいた、さくらサイエンスプランに厚く御礼申し上げます。

pagetop