活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第398号

環境保全と健康維持に密着したものづくり先端研究の体験

宮崎大学からの報告

 2018年12月12日〜21018年12月21日、中国重慶理工大学から学生8名、教員2名、引率者1名の計11名を招へいし、科学技術交流プログラムを実施しました。

<12月12日 来日>

 上海を経由して、夜に宮崎に到着しました。

<12月13日 研究体験、宮崎大学工学部と医学部附属病院参観>

 午前中、担当教授による本コースの計画と注意事項についての説明、宮崎県の紹介と工学部機械設計システム工学科の教育研究の紹介も行いました。

 午後は先端研究施設(3次元動作測定解析システムVICON)を見学し、介護用ロボットHALの着用と歩行を体験しました。さらに、開発中の膝装具の機能検証計測にも参加し、健康寿命を支える医工連携の研究開発の重要性と技術者・研究者の役割を体験学習しました。他に、大学附属病院内を散策し、院内の環境、医者や看護師と患者の表情や会話から、医療現場の和やかな雰囲気を感受し、皆様には深い印象が残されました。

医工連携研究と医療技術等の体験

<12月14日 研究体験>

 参加者を2グループに分けて、介護ロボット、筋電位の測定の利用、大型風洞施設を利用した流れの解析と測定、太陽光・太陽熱の利用技術、生体力学及び断熱塗料の開発と利用効果の研究などの分野の研究に参加しました。

 かなりタイトな予定で、研究を体験しました。教員と担当学生の熱心な紹介を聞きながら、写真やノートで記録しました。地方国立大学として、地域との連携研究、社会の要請を応える研究、実用技術の模索と研究成果の製品可などこれまで接したことのない学問や技術を体験し、楽しく有益な一日を過ごしました。

工学部での研究体験

<12月15日 科学技術見学、美しい日南風景及び日本文化の旅>

 科学技術見学には、体験型の内容が多く、“身近な科学”との感想がありました。時間をオーバーしました。その後、青島神社、堀切峠、サンメッセ、鵜戸神宮などを視察しました。美しい日南海岸を見ながら、海幸彦、山幸彦、日向神話についてガイドの話を熱心に聞いていました。

<12月16日 特別講演と教育体験>

 午前中、生体工学の先端研究紹介として、「歩行姿勢と股関節の力学的特性」と題した特別講演、午後、大学院の授業体験として、「理想的システムの開発と発明問題解決へのアプローチ」の授業に参加しました。

<12月17日 工場見学>

 宮崎県西都市にある自動車等のプロトタイプモデルの製造で優れた技術を持つ株式会社ウイントと宮崎県のゴミ処分を行うエコクリーンプラザ宮崎を見学しました。ウイントでは、巨大3Dプリンタ、モーターショー用自動車の手作り技術、製品の設計から製作まで1人の全工程担当体制を見学しました。エコクリーンプラザでは、ゴミの焼却と発電、再利用可能な廃棄物の修繕、障害者施設を見学しました。

<12月18日 教育体験>

 午前中は「技術者倫理」、午後は「製品のアセスメントと自動車のリサイクル技術」の授業を受講しました。「技術者倫理」の授業では、ミートホップの肉偽装事件、スペースシャトル事故などの倫理問題に絡む話題で参加者に倫理教育の重要性を伝えました。「製品のアセスメントと自動車のリサイクル技術」の授業では、予定の工場見学の予習として、自動車のリサイクル政策や技術、リサイクルのための設計などを紹介しました。

<12月19日 体験学習と日本神話の学習>

 まず、阿蘇ジオパークにある阿蘇火山博物館において、火山活動の仕組み、カルデラ地形の形成について学び、その後、阿蘇火山に行き、火山の迫力を体験しました。また、日本神話の故郷、天孫降臨の地である宮崎県高千穂町を訪ね、天孫降臨から天照大御神の伝説、八百万の神々の集まり、神楽などなどの説明を聞きながら、高千穂神社と天の岩戸神社を訪ねました。

<12月20日 リサイクル技術の見学>

 先日の授業で再開された自動車のリサイクル技術の体験として、九州メタル産業株式会社と株式会社啓愛社九州リサイクル工場を訪れ、自動車の部品のリサイクル、廃液排ガスの処分、素材の取出しと分離技術を見学しました。両社の工場長の詳細な説明を受け、資源を大切にする日本のリサイクル先端技術に触れることができました。

 特に、自動車のエンジン等を取り出すロボットと車台を粉砕するシュレッダーの迫力に驚いていました。最もびっくりしたのは、リサイクル車の中に“新車”も含まれていることでした。出荷待ちの新車は何らかの原因で傷ついたら、出荷を停止して、リサイクル処分されます。「勿体無い、中古車で売ればいいのに」との感想が聞こえてきました。製品の管理と中古車の販売には色々厳しい決まりがあることを身を持って感じたようです。

 あっという間の10日間でした。帰国前の夜、ホテルで修了式と送別会を開きました。担当教員から一人一人に修了証書を渡した後「このプログラムの参加で、日本の先進技術、汎用技術、社会システム、日本人と日本文化などなどを自分の目で確かめることができ、たくさんの感動が心に残った。」「留学等の機会で日本に来たい」など、皆感想を述べていました。

 最後に、記念品として、日本の伝統工芸品博多人形を贈りました。数種類の人形があったので、包み箱に番号を書き、「あみだくじ」で決めました。日本の職人が精魂を込めて丁寧に作った可愛いい人形にはもちろんのこと、不思議な「あみだくじ」にも感動していました。これからの抽選に使えると絶賛していました。

<12月21日 帰国>

 福岡から上海経由して夜重慶に無事到着しました。

●実施責任者のコメント

 短期間で、未来を担う若者に日本の研究、生産技術、日本社会、日本文化等を紹介することができ、取り組みの目的を十分に達成できました。参加者本人だけではなく、彼らを通して知り合いや友人に今回の感想を伝えることも考えると、この取り組みの効果が極めて大きいと思います。

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