2018年度 活動レポート 第392号:東京医科歯科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第392号

再生医療支援人材育成の海外展開プログラム

東京医科歯科大学からの報告

東京医科歯科大学では、平成30年9月30日から10月6日にかけて、「さくらサイエンスプログラム」の支援で台北医学大学(台湾)の学部学生、大学院生合計10名と引率教員1名を招へいし、再生医療支援人材育成プログラム研修を行いました。

日本科学未来館にて

日本と台湾の間では、再生医療に関する大学連携、企業連携が進んでおり、細胞培養技術をはじめとする再生医療支援人材の育成が吃緊の課題となっています。本テーマでは、再生医療支援技術をon the job実習して日本発の再生医療普及の一助とすることを目的としました。

期間中は本学の再生医療研究センターや輸血・細胞治療センターを訪問し、日本が誇る再生医療について講義を受けてもらいました。「日本の再生医療に関する倫理や規制について」、「基礎研究から臨床応用へとつなげる道のりについて」、「実際に臨床で行われている再生医療について」など、多くの内容を学んでもらいました。それと同時に、再生医療を実施するには医師や研究者の他に、それを支える支援人材が不可欠であることを理解してもらいました。

iPS細胞についての講義を受講中。
再生医療に関わる倫理や規制についての講義を受講中。

また、フローサイトメーターを用いた実習では組織から得られる細胞の中から、幹細胞のみを選択的に分離するという一連の流れを体験してもらいました。

組織からの幹細胞分離実習中。

実際に細胞治療施設を見学したり、幹細胞を観察することで、刺激的な日々を過ごしていただけたようです。

iPS細胞由来の分化細胞を観察させてもらっている様子。

日本科学未来館への訪問では、先進科学技術について学び、体験することができました。最終日、講義を行った先生方と共に台北医学大学の皆さんの送別会を執り行いました。

本事業のご支援により、台湾の学生たちの再生医療に対する興味がより一層増したと実感じました。招へい者のうち数名からは、近い将来に日本への留学を本格的に検討したいという声もいただいています。東京医科歯科大学内の複数の部署が受け入れを担当しましたが、とても積極的な学生たちに対する講義や実習を行うことで、充実感のある時間となりました。本学が力を入れている再生医療の臨床応用について、海外に広報するという面でもたいへん良い機会であったと考えています。