2018年度 活動レポート 第390号:熊本大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第390号

バイオマス有効利用に関する「中南米-ASEAN-日本」の異文化・集学的交流

熊本大学からの報告

2018年1月20日(日)~1月27日(日)の期間、フィリピンのデラサール大学、フィリピン大学、インドネシアのスラバヤ工科大学、タイのチュラロンコン大学、マレーシアのペトロナス工科大学、ベトナムのホーチミン市校工科大学、コロンビアのアンティオキア大学、メキシコのヌエボ・レオン自治大学、ブラジルのカンピーナス大学から合計9名(教員1名、学生8名)をお迎えして、本プログラムを実施しました。

参加者の集合写真

本プログラムでは、熊本大学内の施設見学や研究室訪問、教員による先端科学講義を行った他、シンポジウムでの研究発表をしていただきました。さらに、学外活動として、県内の民間企業や工場、公的研究機関への訪問、日本および熊本の歴史、自然、文化を学ぶ体験などをしていただきました。以下に熊本大学大学院、自然科学教育部、材料・応用化学科における国際交流活動の様子をご紹介します。

熊本大学内の活動

熊本大学の紹介や研究室見学、さらに先端科学講義として、クイーンズランド大学のJorge Beltramini教授、ペトロナス工科大学のSuzana Yusup教授に、化学工学に関する先端研究について講義を行っていただきました。熊本大学の歴史や魅力を紹介したプレゼンテーションや、各講師による興味深い講義に対して、真剣なまなざしで聴講している様子でした。さらに、研究室見学では、装置や設備の写真を撮ったり、説明を聞いて時折メモを取るなど、非常に有意義な時間を過ごしているようでした。

本プログラムの開催式の様子

本プログラムの中で開催されたシンポジウム“International Symposium on Asian Biomass utilization and Functional Materials 2019” では、各参加者の研究について口頭発表をしていただきました。質疑応答を通して、研究分野に関するディスカッションを行えた他、木田研究室に在籍している学生、共同研究先の企業の方によるポスター発表を通して、様々な研究分野に関しても興味深く聴講している様子でした。

シンポジウムでの招待講演発表

学外研修

熊本県内の公的研究機関の見学を行いました。熊本県産業技術センターを訪問し、最先端の技術や分析機器の説明をしていただきながら見学を行った他、熊本地域で薦められている、JSTの地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。 また、九州電力八丁原原子力発電所の見学をし、再生可能な地熱エネルギーについて学んで、バイオマス・エネルギーと比較しました。

九州電力八丁原原子力発電所の見学の様子

熊本県内の製造メーカー1社、化学メーカー1社、飲料メーカー1社、電力メーカー1社を訪問しました。手作業で行うガラス器具を作るプロセスを間近で見たり、飲料の製造ライン、工場レベルでの大型の蒸留装置を見たりすることで、日本企業の最先端技術について多くのことを学んでいただけたようです。

日本の歴史・自然・文化に触れる

阿蘇郡小国町にある鍋ケ滝に出向きました。2016年4月に起こった熊本地震からの復興途中である熊本市や阿蘇の現状を見てもらうことにより、熊本の魅力や復興から立ち上がる熊本の人々の強い意志、我慢強さをアピールできたと強く感じています。

さらに、熊本県阿蘇市の温泉郷や白川水源に出向き、日本特有の宗教観や文化、豊かな自然などを実際に経験してもらうための視察も行いました。

白川水源の見学の様子

連日で長距離の移動をしたため、ハードなスケジュールだったにも関わらず、参加者同士の会話と笑顔が絶えず、存分に楽しみながら日本の歴史や自然、文化を学んでいる様子でした。同行した日本人学生も、英語および日本の文化を再度学ぶ機会となり、非常に良い体験となったと思います。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の教員、事務職員の皆様ならびにプログラム成功に最も貢献していただいた本学の学生に感謝いたします。また、多大なご支援をいただきました「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。