2018年度 活動レポート 第377号:東京都市大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第377号

自然災害に対する減災技術と構造物の維持管理技術に関する学生交流

東京都市大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援によりフィリピン・デラサール大学大学院生5名が、東京都市大学工学部都市工学科で「自然災害に対する減災技術と構造物の維持管理技術に関する学生交流」をテーマに課題解決型学習に取り組みました。今回は、同時期に、さくらサイエンスプログラムにより、台湾国立中央大学生10名を招へいし、本学、デラサール大および台湾国立中央大学の学生が交流することとなりました。

本学は、デラサール大と台湾国立中央大学と交流協定を締結しています。平成29年10月に、さくらサイエンスプログラムの支援により5名のデラサール大大学院生が日本の減災技術を学び、平成29年および平成30年3月に、本学学生10名がデラサール大学を訪問して研究交流セミナーを実施し、継続的な交流活動を実施しています。今回の研究交流テーマに関しては、本学およびデラサール大学双方に、自然災害に対する防災・減災技術に加えて、近年構造物の経年劣化対策に関する必要性が高まっていることから構造物維持管理も取り入れることとしました。

オリエンテーション後の学内見学

我が国は、地震・台風などの自然災害に対しての減災技術および構造物の維持管理技術に関しては世界最先端であり、デラサール大学の学生を本学に招へいし、構造物のハード的な対策とリスクマネジメントなどのソフト的な戦略を学ぶ機会を設けることが双方で一致していました。今回のさくらサイエンスプログラムによる交流では、「安全・防災系」分野で平成30年11月5日〜11月14日の10日間で、研究交流および施設見学を行いました。

研究室への配属は、各教員の用意したテーマの説明を行った後に、学生の専門性、興味によって行いました。研究室での実質的な活動は、11月6日~11月12日間に行われました。

研究テーマ説明会にて

構造安全研究室では、「上水道システムの地震時復旧戦略」、水圏環境研究室では、「津波・高潮に対する減災技術の調査研究」に関する研究が行われました。特に、津波・高潮に対する減災は、両国で共通した課題です。

また、災害軽減研究室では、「高層ビルの維持管理と地震リスクマネジメント」および「産業廃棄物の建設資材へのリサイクル」、地盤環境研究室では、「地盤の液状化対策工法」について研究が行われました。各研究室では、教員と共に学部生および大学院生が、実験・解析等の補助をしました。フィリピンと台湾の学生が共同で実施した研究テーマもあり、活発なディスカッションが行われていました。

11月13日の午前には、防災技術のハード的な側面を学習するために建設会社の技術研究所を訪問して、最先端の制震技術などの見学を実施しました。

建設会社技術研究所見学

午後にはデラサール大および台湾国立中央大学の合同成果発表ポスターセッションが行われました。この発表会には、招へい学生に加えて、都市工学科教員と本学学生、本学の国際センターの職員が参加し、2時間にわたり行われました。今回の招へい学生は、大学院生が主体であり、数名は博士課程学生でしたので、短期間での成果ではありましたが、研究内容は非常に高いレベルのものでした。

合同ポスターセッションの様子

発表会終了後、三木千尋学長より招へい学生へ修了証が授与されました。

今回は、2校同時の招へいでしたが、お互いにコミュニケーションをとり、大変有意義な交流でした。

修了式にて