活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第344号

中国農業大学の学生・教員が有機性資源のエネルギー化及び肥料化を学ぶ

農業・食品産業技術総合研究機構
農村工学研究部門からの報告

<1.開催の端緒及び概要>

 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構(以下、「農研機構」)農村工学研究部門(以下、「農村部門」において、平成31年3月3日から8日に中国農業大学(北京及び煙台)から11名を受け入れて、「有機性資源のエネルギー化及び肥料化」をテーマに研修会を開催しました。

 開催のきっかけは、昨年10月に茨城県つくば市で開催された第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)への参加を、今回引率者として参加された中国農業大学のDONG教授に案内した際、同教授から「さくらサイエンスプランを実施してくれないか、学生たちを湖沼会議に連れて行ける」ということでした。

 DONG教授は、平成23年に筑波大学滞在の際に当時農村部門の前身のホームページのバイオマス関係の研究成果を見て単身訪ねてこられて以来のお付き合いでした。

 結局、さくらサイエンスプランは準備の関係上、世界湖沼会議と合わせた開催は困難で、今回の実施時期としました。

土居農村工学研究部門長を表敬したDONE教授(左側)

<2.活動内容>

 3月4日から6日は農村部門での活動として、部門長表敬、同部門の概要紹介、研究施設の見学後、プログラムのテーマに関する活動をしました。

 DONG教授は、以前中国農業大学の国際連携センターの副センター長を勤められていたことがあり国際連携に熱心であり、今回の参加者に若手教員もいることから、DONG教授と彼が選抜してくれた3名の講演を農研機構内外に向けたワークショップとして開催しました。

 一方、受け入れ側機関としての講義の対応は、農村部門の他に、農研機構の中央農業研究センター、食品研究部門及び畜産研究部門の研究者が講義にあたりました。

 また、運営に当たって、農研機構での活動では、筑波大学と東京大学の中国人留学生(院生)2名にTAを依頼し、彼らには、研修生の農研機構での活動を支援いただきました。研修生は、同世代の彼らから日本の大学で学習や研究などの「生の」情報を収集したようでした。

農研機構 食と農の科学館の見学(古い農機具の展示を前に)
オープンワークショップで講演するGao Haodonga中国農業大学講師

 7日にメタン発酵の分野で著名な東北大学大学院工学研究科の李玉友教授に研究室の研究成果や実験状況をご紹介していただくとともに、同教授がメタン発酵及び生成されたバイオガスによる発電の研究をされている仙塩浄化センターを見学しました。仙塩浄化センターでは、鹿野信宏所長(宮城県下水道公社)と覃宇JSPS外国人特別研究員(東北大学)に案内いただきました。李教授の研究室では、中国の留学生が学位取得して研究員として多く活躍しており、研修生は学習に向けてよい刺激を受けました。

仙塩浄化センターの消化ガス発電施設の見学

<3.緊急事態>

 本プログラムは、概ね順調に、準備・運営できましたが、実は開始の前週金曜日午後に緊急情報が舞い込んでいました。引率のDONG教授がパキスタンを訪問中にインドとパキスタンの紛争が勃発し、パキスタンのすべての空港が閉鎖され、来日が危ぶまれるということでした。先着した10名の研修生もDONG教授の不参加を不安にしていました。幸いDONG教授は、空港閉鎖が解除されると同時にサウジアラビアを経由するなど4つ路線を乗り継ぎ10数時間遅れで到着してプログラムへの影響はほとんどありませんでした。

 インドとパキスタンの紛争が中国からの来日に影響する、まさに「地球は小さく」なっていると実感しました。さくらサイエンスプログラムは、こんな時代のアジアにおける人材育成に有益な事業と言えます。

昼休み,梅の花を見つけてくつろぐ研修生(農林研究団地筑波事務所にて)
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