活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第342号

低炭素社会を目指す触媒・エネルギー領域の先端資源化学プロセスに関する体験コース

富山大学大学院理工学研究部
椿 範立さんからの報告

 平成31年2月16日(月)から2月23日(水)、富山大学(工学部、都市デザイン学部、薬学部、和漢医薬学総合研究所、水素同位体科学研究センター)では、中国科学院青島バイオエネルギー・バイオプロセス研究所(6名)、中国科学院大連化学物理研究所(3名)、中国山東省青島市科学技術局(2名)を受け入れ、さくらサイエンスプランによる交流を実施しました。メンバー全員は学生ではなく、国立研究所の若手研究者と若手公務員です。

 各メンバーが高い専門知識と実務経験を有していることから、主に富山大学関係研究室および富山県内関連企業の見学と討論を用意しました。低炭素社会を実現するために、日本の環境・エネルギー産業、化学・製薬産業が取り組むアプローチについて理解を深め、将来日本との関係分野での交流・連携を行う意欲を高めることを目的としました。エネルギー製品と化学品製造において日本の研究と産業の最先端技術を把握し、日中の同じ分野での協力チャンスを創出し、グローバル課題である低炭素社会の実現に貢献していきたいと思います。

<1日目>

 到着が遅かったため、宿泊のホテル(東京)へ移動のみとなりました。

<2日目>

 北陸新幹線で富山に到着後、富山大学工学部椿研究室を見学し、バイオマス転換およびシェールガス転換触媒、およびこれらの触媒を用いた工業生産プラントについて最新の情報を交換しました。

富山大学椿研究室シェールガス転換プラント見学

<3日目>

 午前中に本学水素同位体科学研究センターを訪問し、燃料電池、二次電池の最先端技術について見学し、燃料電池車の普及と水素社会の実現に関する討論を行いました。午後には都市デザイン学部星野研究室を訪問し、バイオマス、製紙工場廃液から微生物発酵によってバイオエタノール製造の最新技術講義を受けた後、キャンパス構内の微生物発酵ベンチプラントを見学しました。来日メンバーの数人が微生物研究の教授・室長であることから、今後この研究の更なる展開、実用化、海外進出について共同開発のチャンスを伺いたいと述べました。

富山大学星野研究室の製紙廃液処理からエタノール生産ベンチプラント見学

 同じ午後では引き続き、工学部豊岡研究室を訪問し、薬品合成化学の講義を受けた後、抗ガン薬の合成について活発な討論を行いました。夜には、海外滞在日数制限があるため、遅くに出発した青島市科学技術局公務員2名も合流し、プログラム参加者は本学国際部職員と学内で簡単な歓迎会を行いました。

<4日目>

 午前中地域の触媒製造企業の見学としてクラリアント触媒株式会社を訪問し、寺西取締役と三島工場長と共に触媒の生産工場を見学ました。同社のグループ企業として中国にも2社があり、今後の触媒受注生産、商業触媒の開発について綿密に議論し、多方面の技術協力可能性を探りました。

クラリアント触媒株式会社工場見学

 午後に富山市内の福寿製薬株式会社を訪問し、小杉社長、西永取締役、企業技術者と薬品生産プロセス、薬品中間体生産技術の革新、製品品質のグローバル化管理について討論を行いました。

福寿製薬株式会社社長レクチャー

<5日目>

 午前中本学薬学部と和漢医薬学総合研究所を見学し、バイオマスと生薬資源および製薬化学工程の講義を受け、小松教授の紹介で本学民族薬物資料館を訪問見学しました。当日午後では、北陸の歴史と文化を学ぶ目的で、日本の防災土木技術の最先端を紹介している立山カルデラ砂防博物館の見学を行いました。

富山大学和漢医学研究所民族薬物資料館訪問

<6日目>

 午前中、富山大学椿研究室のジェット燃料製造用バイオマス転換プラントを見学してから東京まで新幹線で移動しました。

<7日目>

 午前中JST東京本部を訪問し、中国総合研究交流センター米山副センター長らと意見交換しました。午後には東京にある日本科学未来館の見学を実施し、修了式を行いました。

 この活動を通して、中国の両国立研究所と富山大学および富山県内企業の交流が活発に行われました。更なる人的な交流、技術交流、共同開発はこれから増えると思われます。来日メンバーの一名(准教授)が今年後半から富山大学椿研究室において1年間研修することは既に即決されました。

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