活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第325号

マルチモーダル遠隔協調におけるQoS制御・評価の研究

名古屋工業大学からの報告

 2019年1月21日(月)から1月30日(水)までの10日間にわたり、ミャンマーのヤンゴン・コンピュータ大学(UCSY)から10名の博士後期課程学生と1名の教授を招へいしました。本学とUCSYは、2018年4月に大学間学術交流協定が締結されており、交流の活発化を図ってきています。特に、マルチモーダル遠隔協調の高品質化に関する共同研究を2018年から開始しています。この遠隔協調の研究では、マルチモーダルインタフェースとして、視覚・聴覚に加えて、触力覚を扱うことによって、人とロボットなどとの間の協調作業をネットワークを介して高効率に行うことを目指しています。

 今回の招へいの目的は、マルチモーダル遠隔協調の高品質化のためのサービス品質(QoS: Quality of Service)制御・評価に関する共同研究を更に活発化することであり、要素技術である以下の三つの研修を実施しました。

  1.  ①ネットワークシミュレータによるQoS制御・評価(布目敏郎准教授が担当)
  2.  ②仮想マシンを用いたネットワーク構築・診断(立岩佑一郎助教が担当)
  3.  ③実験によるQoS制御・評価(石橋豊教授が担当)

 研修では、3人の教員の研究室の学生らの協力も得て、帰国しても継続して習得した技術が使えるようにしました。

 まず、①では、ネットワークシミュレータns-2を対象として、そのチュートリアルを出発点として使い方を習得しました。TCPのウインドウフロー制御の振る舞いとスループットの測定、無線ネットワークシミュレーション方法の学習を経て、無線アドホックネットワークにおけるマルチメディア情報転送のQoS評価手法を学びました。

ネットワークシミュレータによるQoS制御・評価

 次に、②では、仮想マシンソフトウェアUser-mode Linuxを仮想機器とするネットワークを構築しました。このとき、Linuxコマンドによる機器への設定反映、ネットワークの診断方法を習得しました。そして、誤りの仕込まれたネットワークに対するトラブルシューティングを通して、ネットワーク動作の論理的な解析手法を学びました。

仮想マシンを用いたネットワーク構築・診断

 そして、③では、触力覚インタフェース装置と、力覚センサーを有する産業用ロボットなどとをネットワーク接続して遠隔協調する4つのシステムを用いて実験を行い、ユーザレベルQoS(QoEともいう)評価を体験し、その評価技術を学びました。また、いくつかのQoS制御の効果を確認するために、実験結果の整理方法や分析方法を習得しました。

実験によるQoS制御・評価

 また、休日には、日本の文化に触れてもらうため、伊勢神宮に参拝に行きました。伊勢神宮内宮に到着すると、突然雪が降りはじめ、その後霰と、生まれて初めての体験に非常に喜んでいました。しばらくすると晴れてきましたので、おかげ横丁などを散策し、伊勢名物の赤福も堪能することができました。

 さらに、トヨタ自動車の工場見学に行きました。ここでは、車の生産ラインとして、溶接工程や組み立て工程を見学することができました。トヨタ生産方式としてジャスト・イン・タイムや、「よい品よい考」の思想を学びました。この次の日には、トヨタグループ発祥の地に設立されたトヨタ産業技術記念館を見学し、モノづくりの大切さや歴史を学びました。

トヨタ自動車工場見学

 最後に、本研修において得られた成果について全員がプレゼンテーションしました。そして、全員に修了書を手渡しました。

修了式

 本研修は10日間という短い期間でしたが、その大きな成果として、新たにいくつかの共同研究を開始することができました。今後、これらの共同研究を継続し、本学とUCSYとの国際交流を活性化していく予定です。

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